受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多様性を感じられる教育環境で
「共立」の精神を反映させた
21世紀型リーダーシップを育成

共立女子中学高等学校 校長 前田 好子 先生

国際人には不可欠な
日本文化への造詣も重視

キャプションあり
上/礼法の授業で使われるほか、茶道部・能楽部・古典文化部の活動の場でもある「瑞香庵」
下/創設者の一人で第6代校長を務めた鳩山春子先生の胸像。エントランスに設置されています

西川 英語には、ほかにもおもしろそうなプログラムがありますね。たとえば「英字新聞プロジェクト」とはどういう内容ですか。

前田 これは「ジャパンタイムズ」との提携によって行うもので、本校の魅力と地域の紹介を目的とした英字新聞を生徒たちが作っています。やる気のある者が集まって、自分たちでいろいろなところでインタビューをして、英語の記事にまとめます。もう何年も続けている取り組みで、完成させるまでにはさまざまな講座を受講しますから、新聞作成の過程で思考力・表現力・社会性などが身につきます。

 また、アメリカのメガバンクの一つである「バンクオブアメリカ」が主催する「Teck 4 Girls Program」にも参加しています。同社に勤務する本校の卒業生が動いてくれて実現したもので、「数年後に社会で働く女性に対して将来の学業やキャリアの選択肢を広げる」こと、「英語を駆使して働く世界に触れグローバルマインドを育む」ことを目的としたプログラムです。社内ツアーやコンピュータープログラミング、株式トレーディングゲームなどを年に数回実施しています。

神田 金融界のトップレベルの企業で先輩が働いていらっしゃるからこそ、学ぶチャンスも出てきたわけですよね。本当に目に見えない財産をたくさんお持ちです。

前田 なかなか学年単位で全員が参加するイベントはできませんが、「こんなプログラムがあるけど興味ある?」と参加者を募るなど、それぞれの持ち味が生かせるものを幅広く提示できるようにしています。とはいえ多種多様な生徒がいますから、もちろん国際色一色ということはありません。これからのグローバル社会では、絶対にみんながグローバルスピリットを持たなくてはならない、といった押し付けはしません。一人ひとりの個性を生かしながら、授業ではできないことをさまざまな材料を整えて用意して、興味を持たせるようにしています。

神田 先ほど、海外に出るには日本のことをよく知っていなくてはならないというお話がありました。確かに自分の国の文化を知らない人間は、海外で認めてもらえません。貴校では日本の伝統文化の精神を大切にされ、アイデンティティーを育む教育もしっかり行っています。礼法の授業もその一つですが、そのほか部活動として能楽部・古典文化部・茶道部・書道部などがありますし、課外講座として華道講座もあります。

前田 本校では帰国生入試を行っていますが、ご家族で海外生活をしていた方は「日本人としての何かを持っていないと、海外ではまったく通用しない」ということを痛感されていました。その点で「共立女子には礼法の授業もあり、伝統的な文化をきちんと教えてくれるので、非常に魅力を感じました」と言ってくださる方は何人もいらっしゃいます。

23年4月号 さぴあインタビュー/全国版:
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