受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

創意工夫があふれる
先進的・先導的な教育を通じて
未来を強く生き抜く力を育む

筑波大学附属中学校 校長 水上 勝義 先生

広く海外の生徒と交流し
国際人になるベースを形成

神田 国際教育については2014(平成26)年に高校がスーパーグローバルハイスクールに指定されましたが、中学でも英語教育はもちろん、海外交流にも力を入れていますね。

聞き手1
サピックス小学部
教務本部
西川 敦

水上 海外交流は新型コロナウイルス感染症の影響でだいぶ制限がありましたが、少しずつ動き始めています。この春休みには、3年ぶりにアメリカ短期留学を再開しました。これは、アメリカ北東部のペンシルベニア州のサラーズビルという町で、10日間ほどホームステイをしながら現地校で授業を受けるプログラムです。それから、まだオンラインですが、カスピ海沿岸のアゼルバイジャンの学校からオファーをもらい、学校間交流を行う計画があり、春休みに第1回交流会を開きました。そのほか、海外交流としては毎年、高校でシンガポールの名門ホワチョン校との交換留学があり、本校の生徒も短期間ですが一緒に参加しています。レベルの高い学校なので、生徒たちにはとても良い刺激になります。韓国の学校と交流をしたこともありますし、中国の中学生との間で漢詩を読み合いながら交流する授業もしていました。

神田 中国と韓国は漢字という伝統文化のなかに共通するものがありますから、そこからコミュニケーションをとって関係性を深めていけるはずですね。

水上 ただ、海外に行く機会はそれほど多くはありません。中学校では自主的な活動を通して自分の考えを表現したり、他者の意見に耳を傾けて考えたりすることを大切にしています。そうした力をつけたうえで附属高校に進めば、さまざまなかたちで海外に行く機会がありますから、国際交流の場でも力を発揮できます。もちろん本校でも英語教育は東京を代表するくらいのレベルの授業をしている自負がありますが、語学力や国際感覚のベースをつくるのが中学校で、それが高校になって実践することによって花開いていくというかたちになります。

23年5月号 さぴあインタビュー/全国版:
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