さぴあインタビュー/全国版
多様性を感じられる教育環境で
「共立」の精神を反映させた
21世紀型リーダーシップを育成
筑波大学附属中学校 校長 水上 勝義 先生
一人ひとりに活躍の場がある
それぞれの個性を開花させてほしい
西川 内部連絡入試といえばよいのでしょうか、8割ほどの生徒が附属高校に進学するとのことですが、中学入試を経て入学した生徒のほぼ全員が進めると考えてよいのでしょうか。
水上 中学校での教育課程をしっかり学んでいただければ、基本的に、ほぼ全員が進めると思っていただいて大丈夫だと思います。ただ、3年間過ごして、学校に合う合わないもありますし、自分の意思で別の学校を選ぶ生徒もいますから、全員が附属高校に進学するというわけではありません。
神田 2023年度の中学入試では、76名のサピックス生が合格をいただきました。これは過去2番目に多い数で、たくさんの生徒を受け入れていただき感謝申し上げます。保護者の方にとっては高校の進学実績の高さも貴校の大きな魅力になっていると思います。特に国公立大学への合格率は高く、また医学部への合格実績の伸びもすばらしいものがあります。貴校に限らず医学部志望者が増えていますが、水上先生は医学の専門家として、医学部志望者の増加についてどのように思われますか。
水上 やはり人の苦しみ、つらさをなんとか救ってあげたい、健康が損なわれることなく人生でやりたいことができるようにしてあげたい、そうした気持ちが強いのではないかと思います。それから、大学で学んだことが社会ですぐに役立てられるというのも、医学部の魅力だと思います。医学といっても臨床医学もあれば、臨床医学の基礎を成す基礎医学もあります。山中伸弥先生のiPS細胞のように、日本の最先端の研究成果が医学の発展に貢献しているためか、基礎医学的研究を志向する人も少なくありません。また、最近は開発途上国で医療を十分に受けられない人たちの治療に当たりたいとか、世界保健機関(WHO)のようなところで仕事をしたいと考える人もいます。医学といってもさまざまな領域がありますから、医学部に入って幅広く勉強して方向性を決めていくのもよいと思います。
神田 先生ご自身はメンタルケアがご専門でいらっしゃいます。生徒たちの心のケアを考えると、先生の経歴を拝見して安心された保護者の方もたくさんいらっしゃると思います。
水上 悩みが強くなる時期ですし、それが健康に影響を与える場合もあります。全校集会では校長として話をする時間もありますから、ストレスマネジメントやメンタルヘルスといった内容で少しずつ話をして、予防に向けて意識を高めてもらえればと思っています。
西川 生徒数が1学年約200名、そのうち附属小学校から入る生徒が約120名、中学受験で入る生徒が約80名となっています。保護者のなかには附属小学校からの生徒と仲良くできるか心配なさる方もいます。その点はいかがですか。
副校長の升野伸子先生(左)と共に
水上 附属小学校の子どもたちも、中学に入って新しい友だちと出会えることを楽しみにしているという話をよくしてくれます。お互いに仲良くしていこうという気持ちを持って学校生活を始めるので、安心して来ていただけると思います。学校生活のなかに仲良くなるための仕組みがあり、一緒にさまざまな活動をするうちに自然に友だちになっていきます。クラスも部活動も違うのに仲良くしている生徒たちがいて、「君たちはどこつながり?」と聞くと、「富浦!」なんて答えます。
神田 最後に、受験生と保護者の方にアドバイスをいただければと思います。
水上 本校には生徒たち一人ひとりが主役になれるような、一人ひとりの良さを引き出す指導体制があります。どの子にも活躍の場がある、そんな仕組みが整っています。ですから、前に出たい子も引っ込み思案の子も、安心して来てもらえる学校だと思っています。皆さんのそれぞれの良さを本校でぜひ開花させていただきたいと思います。
神田 力強いエールをいただきました。本日はありがとうございました。
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