受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

卓越した体験学習を軸に
グローバルスタンダードの
「学力」と「人間力」を育成

海城中学高等学校 校長 大迫 弘和 先生

質の高い社会科の卒業論文は
日々の授業の積み重ねから

キャプションあり
上下/地学実験室には化石や鉱物のほか、地層のはぎ取り標本も展示。校舎そのものが教材となっています

大迫 わたしは、ご紹介したようなプログラムの一つひとつが、一つの全体となるよう言語化し、大きな意味づけをすることによって、本校の教育がもっと実り豊かなものになっていくと思います。

溝端 わたしたちも塾の立場ではありますが、教育内容やその意義を言語化することを常々考えています。たとえば「考える力を育てる」と言いますが、「考える力」とはどういうものなのか、本質的なことほど言語化するのは難しい気がします。

神田 その意味では先生方も常に学んでいらっしゃるということですね。先生が生徒と一緒に体験して学んでいるところも、貴校が伸びている一つの要素だと思います。

大迫 それが海城の文化なのだと思います。

神田 中3になると社会科の卒業論文があります。これも最終的には発表会があって、皆さんが非常に感心される取り組みだと思います。先生からご覧になっていかがですか。

大迫 論文を見ると、レベルが非常に高いことがわかります。中3でこれだけの内容が書けるのかと感心します。まだ発表会は見ていませんが、社会科の授業は見学しました。非常にていねいに進めていて感動しました。この授業があるから、最後に立派な論文が書けるのだなと納得できます。先ほどの取材にしても、電話のかけ方からお礼状の書き方などまで、すべて手取り足取り教えています。論文の書き方も、全体が10枚なら序文は1.5枚で、本文はこれくらいで、と具体的な数値を示して教えています。

神田 入試でも貴校の社会科の記述問題は、基本的な学習をしたうえできちんとしたセオリーに基づいて書かないと点数をもらえない、という問題になっていますよね。

大迫 おっしゃるとおりです。

神田 それも東大の合格実績が高いことにつながっていますね。東大入試の記述問題が解ける力はそういうものだと思います。

23年8月号 さぴあインタビュー/全国版:
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