受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

きめ細かな教育体制の下
仲間と体験する学びと感動が
未来に向かう力につながる

攻玉社中学校・高等学校 校長 藤田 陽一 先生

母体は江戸末期開設の蘭学塾
校舎新築後の20年間で大きく飛躍

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 攻玉社中学校・高等学校は今年で創立160周年を迎えた伝統ある学校です。初めに沿革と、先生が学校にかかわってこられた経緯についてご紹介いただけますか。

藤田 本校は江戸時代末期の1863(文久3)年に蘭学者の近藤真琴先生が開いた蘭学塾「攻玉塾」を起源とします。この年には京都で新選組が結成され、そうした歴史の転換点となる激動の時期に、真琴先生は外国の知識・技術を取り入れ、次代を担う人材を育てるため、蘭学塾を開きました。明治から大正にかけては海軍兵学校の予備校のような役割を担い、海軍に多くの人材を輩出しています。海軍出身で、終戦時に総理大臣を務めた鈴木貫太郎も本校の卒業生です。戦後は苦難の歴史を歩み、生徒数が激減した時期もありましたが、今の校舎が完成した2003年を機に変化が起きました。生徒数が増え、受験生の層も変わり、進学校として大きな飛躍を遂げました。

 わたしは本校の卒業生です。創立110周年の年に入学し、50年以上何らかの形で学校とかかわっています。在学中は野球部に所属していた関係で、大学を出て社会人3年目のときに、「硬式野球部の監督をやらないか」と声を掛けていただき、本校に参りました。その後、正式に社会科の教員になり、学年主任、教頭を経て今年の4月に校長に就任しました。

神田 蘭学塾の開設から数えて160年。私学でこれだけの伝統を持っている学校は数えるほどしかありません。長い歴史のなかで15人の海軍大将や4人もの海軍大臣のほか、総理大臣、学者、実業家、スポーツ選手、宇宙飛行士など広い分野にわたって、大きな功績を挙げられた方々が卒業生として名を連ねています。それも伝統ある学校ならではのことだと思います。

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23年10月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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