受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

自主性を育む自由な校風
部活動や行事にも全力投球し
将来を切り開く力を育む

東大寺学園中・高等学校 校長 本郷 泰弘 先生

学習面のサポートも充実
「学習支援制度」で個別指導も

石原 さて、貴校は2023年度入試を最後に、高校からの生徒募集を停止し、完全中高一貫校に移行しましたね。

本郷 はい。それに先立ち、2021年度からは、44名×4クラスの176名だった中学の募集定員を、40名×5クラスの200名に変更しました。そうやって、今年度で中1から中3までが5クラス編成になったので、来春からは高校からの募集を行いません。

立見 完全中高一貫化の狙いは何でしょうか。

本郷 6年間をじっくり使って、独自のカリキュラムで指導していきたいというのが一つの理由です。本校では中学で履修し終える科目もあり、高校からの入学生が追いつくのは大変なので、進度調整も必要になります。完全中高一貫校になることで、そういうことも解消できます。

 その一方で、中学校からの入学者と高校からの入学者とが混ざって、刺激し合う良さはなくなります。高校入試を経験しない生徒たちだけで6年間を過ごすので、いわゆる中だるみも生じやすいでしょう。それをどう解消するかが今後の課題です。特に、学習面が遅れがちな生徒たちをサポートするような仕組みはぜひ必要だと考えています。

立見 すでに実施しているものもあるのですか。

本郷 これまでも、長期休暇中などには指名制の補習を実施してきました。これに加えて、新たに始めたのが「学習支援制度」です。これは、通常の学期中に実施するもので、英語と数学の2教科について、中学の3年間、各学年で理解の遅れが顕著な生徒数人を対象に、週1回、100分間の指導を行なっています。

 この学習支援制度のスタイルは、授業というよりは個別指導に近いものです。講師も、本校を退職した教員などが務めています。授業でうまくいかない生徒に対しては、授業と同じようなスタイルの補習を行ってもなかなかうまくいかず、個別指導的なスタイルのほうが合っていると思って始めました。受講するかしないかは生徒の自由で、嫌がる生徒には無理強いはしませんが、嫌だと言う生徒はほとんどいません。保護者の方も、ぜひぜひよろしくお願いしますという感じです。この制度はうまくいっているのではないでしょうか。

23年11月号 さぴあインタビュー/関西情報:
目次|4|

ページトップ このページTopへ