さぴあインタビュー/全国版
見て、触れて、考える
体験重視の幅広い学びを通して
豊かな人間性と高い倫理観を養う
東邦大学付属東邦中学校・高等学校 校長 松本 琢司 先生
理科は実験・観察を重視
学ぶ楽しさを味わう選択講座も
サピックス小学部
教務本部
西川 敦
西川 貴校は理系に強い学校として知られていますが、理数教育にはどんな特徴があるのでしょうか。
松本 理科は実験・観察を重視しています。実験室は高校では物理・化学・生物がそれぞれ2室ずつ、中学では学年ごとに1室、合計9室あります。時間数も、たとえば中3では「物理基礎」「生物基礎」など計6単位ありますから、中学の理科としては多いと思います。基本的に実験・観察とレポート提出を繰り返します。
西川 数学の「トレーニングマラソン」とはどのようなものですか。
松本 授業で出す課題とは別に、数学科で編集した独自のプリントに取り組むプログラムです。授業の復習に、少し時間がたってからドリル形式で取り組み、数学力を鍛えていくものです。
西川 総合的な学習の時間では、教科の枠を超えた選択講座がたくさん用意されていますね。
上/全面人工芝のグラウンド、ハンドボールコート、テニスコート、野球場などスポーツ施設が充実
下/図書館の蔵書数は約8万冊。CDやDVDなどの視聴覚教材も豊富にそろっています
松本 Ⅰ期は校外学習や修学旅行について調べますが、Ⅱ期・Ⅲ期は20~30ある講座のなかから各自が選択して受講します。「映像で数学に触れる」「サイエンス・マジック」「落語を楽しもう」など、どの講座も学ぶ楽しさを味わってもらえる内容になっています。
西川 校外でのテーマ学習もあるとのことですが、どのようなところに行くのでしょうか。
松本 中1は富士山方面に出掛けて自然体験を行います。中2は新潟県の農家に泊まって、田植えなどの農業体験をします。中3は長崎方面への修学旅行で、平和学習を行っています。高校の総合学習では、生徒一人ひとりが探究したいテーマを設定し、担当教員の指導の下で2年間かけてレポートを作成します。高2の終わりに完成させます。
神田 研究テーマの一例を拝見しましたが、「人魚の姿について探究する」「ヒトの体の雑学や豆知識が真実なのか自分の体で調べる」「テレビドラマから学ぶ法医学」など、ユニークなものがたくさんありました。
松本 やはり医学関係に興味がある生徒が多く、特に身の回りのことから探るような内容が目立ちますね。
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