受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

見て、触れて、考える
体験重視の幅広い学びを通して
豊かな人間性と高い倫理観を養う

東邦大学付属東邦中学校・高等学校 校長 松本 琢司 先生

手術の模擬体験や創薬体験ができる
大学施設を利用した「学問体験講座」

キャプションあり
上/明るく広々としたカフェテリア。400席あり、中学生も利用できます
下/玄関ホールに設けられた宇宙教育に関するコーナー

神田 貴校の大きな強みは、何といっても中高大連携だと思います。特に東邦大学の各学部で実験や実習ができる「学問体験講座」は大きな魅力です。

松本 「学問体験講座」は中1から高3までの希望者を対象に年3回、各方面の最新研究状況を講義してもらうものです。1期と3期は東邦大学の理学部・薬学部・健康科学部と連携し、大学校舎での実験授業になります。数日間にわたって実施され、重なっていなければいくつでも受けられます。2期は東邦大学に限らず、他大学からもさまざまな専門家に来ていただいて、講義形式の授業を行います。東邦大学での講座はどうしても理系が多くなりますから、2期では人文科学系、社会科学系の講座を増やしています。

 近年開講したのは「解熱鎮痛薬を合成する」「感染予防を科学する」「免疫細胞の見分け方」などさまざまです。情報関連や言語関連の講座もあります。何より、まずは体験してみることが大切です。生徒には、「体験して、感じて、なぜそうなるのか」を考えて学んでほしいと思っています。

西川 「学問体験講座」には医学部志望者を対象とした「ブラック・ジャック セミナー」もありますね。病院で医療体験ができるとのことですが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。

松本 東邦大学医療センター佐倉病院で、医療現場で行われている手術などを模擬体験するものです。医学部生の外科医実習のように、人体模型で内視鏡を使ったり、鶏肉を使って縫合体験をしたりもします。医学部生とまったく同じことをやるわけではありませんが、少なくともその一端は垣間見ることができると思います。

神田 疑似とはいえ、高校生が病院で医療体験ができるのはすごいですね。大きな刺激になるでしょう。

松本 「ブラック・ジャック セミナー」は高校生しか参加できませんが、総合学習の講座「解熱鎮痛薬を合成する」など習志野キャンパスで行うものは中学生でも参加できます。習志野キャンパスは本校から歩いて5分ですから、生徒たちも興味に応じて気軽に受けられると思います。

24年1月号 さぴあインタビュー/全国版:
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