受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

世界での活躍を見据えた
多様な体験を通して
高い目標に向かう力を養う

巣鴨中学校・高等学校 校長 堀内 不二夫 先生

英国のトップエリートが講師
充実の「巣鴨サマースクール」

聞き手1
サピックス小学部
教務本部
西川 敦

西川 毎年、夏休みに6日間にわたって行われる巣鴨サマースクールもすばらしいプログラムだと思います。さまざまなジャンルの講師をイギリスから招き、イートン校サマースクールと同様の体験ができるようにしていると聞きました。

堀内 巣鴨サマースクールは、中2から高1までの生徒50名を対象に、長野県の蓼科にある巣鴨学園校舎を使って行っています。2023年もイギリスから9人の講師を招いて実施しました。予想以上に参加希望者が多く、選考や抽選を行いました。

西川 講師の方々はいずれもイギリスの名門大学の出身で、政府機関で働いている方もいれば、プロの歌手、水泳選手、建築家など、さまざまな経歴をお持ちです。それぞれの専門を生かした授業をしてくださるそうですね。

神田 その一つに、講師の方がご自身の失敗談を語る「モチベーション・カーブ・レッスン」というものがありますね。とてもおもしろい試みだと思いました。

キャプションあり
上/人工芝のグラウンドのほか、ギムナシオン(体育館)には広いアリーナや屋上テニスコート、卓球場などがそろっています
下/2時限目と3時限目の間に行われる「巣園体操(業間体操)」の様子。全校生徒と共に全教員も汗を流します

堀内 簡単にいうと「失敗学」です。講師の話を聞いた生徒たちは、「こんなにすごい人たちも、たくさん失敗をしているんだ」と驚いています。

神田 「自分も失敗していいんだ」と思えますね。それがモチベーションにもつながります。

堀内 失敗は財産なのだということをわかってほしくて、毎年この授業を行っています。繰り返しになりますが、わたしたちの仕事は「種をまく」ことです。その種が芽を出し、どう育っていくのか、それは生徒自身の問題です。しかし、種をまかなくては何も育ちません。毎年、巣鴨サマースクールを開催できているのは、イギリスの講師の方々が「来たい」と言ってくださるからです。イートンにも同様のプログラムがあるのですが、「レベルは巣鴨のほうが高い」と言ってくださいます。

神田 授業をしていて、それだけ手応えがあるということですね。そうしたつながりがあって、「巣鴨」の名前は現地でも広く知られ、2020年には、世界を代表する中等教育学校が加盟する国際組織のWorld Leading Schools Association(WLSA)に、日本の学校として初めて加盟しました。加盟するには加盟校2校の推薦が必要ですが、イートン校とハーロー校という名門校が推薦してくれたとうかがっています。それだけ、イギリスや日本国内でのサマースクールなどを通じて、巣鴨の教育が高く評価されているということでしょうね。

24年2月号 さぴあインタビュー/全国版:
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