受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

他者との触れ合いを大切に
「いかに生きるか」を問う
豊かな心を育む教育を行う

立教女学院中学校・高等学校 校長 浅香 美音子 先生

大切なのは「人と人との触れ合い」
小学校生活を大切にしてほしい

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神田 2023年度の進路状況を拝見させていただきました。立教大学には卒業生の3人に2人、122名が進んでいます。学部別では経済学部が28名、社会学部が27名で、この二つの学部が多いですね。

浅香 学部ごとに推薦枠がありますから、進学者数はその枠に従っています。枠から漏れた場合は第2希望の学部に進んでいます。

神田 国公立大学には9名が合格しています。そのなかには横浜市立大学医学部の合格者もいますね。私立大学でも順天堂大学医学部など、医学部合格者が目立っています。理系学部、特に医学部を志望する生徒も増えているようですね。

浅香 わたしたちは、この大学に行きなさい、この学部に行きなさい、といった指導は一切しません。本人の希望に応じてサポートしています。年によって変わりますが、確かに理系をめざす生徒が増えてきたという印象はあります。

神田 海外の大学にアプローチする生徒も出てきていますね。2023年度はカナダのブリティッシュコロンビア大学、アルバータ大学などの名門校に合格しています。ニュージーランドやアメリカなどの姉妹校との交流が盛んで、英語教育にも力を入れていることが、進路にも反映されていますね。それでは最後に、受験生と保護者の方にアドバイスをいただきたいと思います。

浅香 学校は勉強するだけのところではありません。たとえば、子ども同士の社会のなかで意見がぶつかり合ったときに、どうやってコミュニケーションを取っていけばいいのかを学べるのが学校です。小学校生活を大切にしてほしいと思います。新型コロナの流行で教育現場のデジタル化が進み、リモートで授業を受けられるようになりましたが、教育とはそれだけで完結するものではありません。人と人とが笑い合い、語り合い、触れ合うことが大切であり、それを忘れないでほしいですね。それから、常に「どうしてなんだろう」と考えてください。たとえば算数にしても、ただ解法を覚えるのではなく、どうしてその答えが出るのかを考えてほしいと思います。

集合写真

神田 保護者の方には、どのようなことを伝えたいですか。

浅香 子どもには子どもの考えがあります。保護者の方が「この学校がいいよ」と一方的に決めるのではなく、お子さんの気持ちを聞いてあげてください。学校見学をして、お子さんが「行きたい」と思ったところがあれば、その気持ちを大切にしてください。わたしも、本校を見学したとき、「誰が何と言おうとこの学校だ」と思って、受験を決めました。そのときに自分の思いを尊重してもらえたから、幸せな人生を歩んでこられたのだと思っています。

神田 おっしゃるとおりです。気になる学校があったら、ぜひ足を運び、自分の目でしっかり確認してほしいですね。本日はありがとうございました。

24年3月号 さぴあインタビュー/全国版:
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