受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多様な挑戦を重ねながら
世界に目を向けて未来を開く
「タフで愛ある女性」を育てる

鷗友学園女子中学高等学校 校長 柏 いずみ 先生

転ばないとわからないことは多い
失敗を恐れずチャレンジしてほしい

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岡本 進路指導はどのような方針で進めていらっしゃいますか。

 出発点は「将来、自分が何をしたいか」です。それを高2のときに「志望理由書」に書いてもらい、すべての担任がそれを読んで全員で共有します。成績などもデータベース化し、共有しているので、生徒はどの教員に相談に行っても、適切なアドバイスを受けることができます。とにかく、本校は「生徒たちがやりたいと言っていることを全力で応援する学校」です。そのひと言に尽きます。

神田 それがきちんと数字にも表れていますね。大学合格実績を拝見すると、今春は東大に現役12名をはじめとして、卒業生の約3割が現役で国公立大学に合格されています。

 生徒たちは、6年間いろいろな活動をやり抜いてきたという自信を持っています。ですから、いざ受験というときは、その一点にエネルギーを集中させることができるのでしょう。勉強だけして東大に行こうとする生徒や、成績が良いからというだけの理由で東大を狙うという生徒は本校にはいません。それは本校がめざすところではありません。

岡本 中学受験について伺います。試験当日に自己申告書を提出するわけですが、そのなかの志望理由の欄は、受験生本人が記入することになっています。これはなぜですか。

 出願するころは、模試も一通り終わっていて、「残り1か月、どうしよう」という気持ちになる不安定な時期だと思います。そういう時期に、「何のために受験勉強をしているのか」「なぜ、鷗友をめざしているのか」をあらためて確認して、最後までがんばってほしいという思いがあるからです。合否にかかわることはありません。海外経験のある受験生には加点する制度があります。「海外経験1年以上、帰国3年以内」の原則から外れる場合も利用できます。

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神田 最後になりましたが、受験生と保護者の方にメッセージをいただきたいと思います。

 子どもたちは一人ひとり、すばらしいものを持っています。ぜひそれを外に出せるよう、保護者の方に支えていただきたいと思います。「あなたのなかにはすばらしいものがあるのよ」「今見えているものがすべてではなく、もっとすてきなものが必ず出てくるのよ」と言ってほしいのです。転げ回るぐらい夢中になって、泣いたり笑ったりしながら何でもやってほしいですね。自分で転ばないとわからないことはたくさんあります。鷗友では、がんばっていることをみんながわかっているので、安心してチャレンジできる環境が整っています。そういう環境をこれからも守っていきたいと思います。

神田 それこそ「わたしなんか無理」などと思わず、ぜひチャレンジしてほしいですね。ありがとうございました。

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24年10月号 さぴあインタビュー/全国版:
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