さぴあインタビュー/全国版
ゆとりある教育環境の下、
本質的な学びの経験を通して
社会で輝く自分へと成長する
早稲田大学高等学院中学部 学院長 本木 弘悌 先生
多数の教員が大学でも講義を担当
放課後、大学に行く生徒も
サピックス教育事業本部
本部長
広野 雅明
本木 フィールドワークもそうですが、これからの時代に必要なのは経験値の蓄積です。中高時代にどんな経験をするかが大切です。本校には、学んだ知識をどこで生かせるのかと、生徒の将来を見据えて指導している教員が多くいます。それを受けて、生徒たちはどんどん学外へと飛び出していきます。たとえば、理系志望で、サンゴの研究をした生徒がいました。サンゴが出す毒はがんに効くかもしれないといわれているのですが、その毒を取り出すのは簡単ではありません。ところが、その生徒は実験を重ねてかなり熟練して、抽出ができるようになったようで、一緒に活動させてほしいという引き合いがいろいろな大学からきました。それも、「これをやればこういうことに活きる」という道を示してくれる教員が本校にいたからだと思います。
髙宮 興味を持てば、どんどん体験しに出ていきますね。AIの時代になればなるほど、体験したことは大事になると思います。
本木 そうですね。本校では、そうした経験値に結びつけられるようなサポートがいろいろできると思っています。わたしは地理学が専門ですが、高校の卒業研究では地域研究として幅広く指導します。なかには卒業研究で、民俗学部門で賞を取った生徒もいました。ですから、プロとしていかに多くの選択肢を見せられるか、それがこちらの力量だと思っています。
上/約14万冊の蔵書をはじめ、雑誌・新聞を約60誌、DVD・CDなどの視聴覚資料を約5500点所蔵する図書室
下/地上2階・地下1階建てのアリーナ(第二体育館)。スポーツ施設が充実しているのも同校の魅力です
広野 先生は大学の講義も持っていらっしゃるのですか。
本木 大学で何コマか持っていて、大学院でも指導しています。本校に来る前にいろいろな大学で講義をしていたので、本校に着任した後も早稲田大学でもいくつか担当してほしいと言われ、だんだん増えていきました。
髙宮 高校に赴任された先生が大学の講義を持つというのは珍しいのではないでしょうか。
本木 本校にはそのような教員が20名以上います。早稲田大学の「オープン科目」は、高校生にも開かれており、わたしが担当する講義はすべてオープンにしています。本校の生徒をはじめ、早稲田高等学校や早稲田実業学校の生徒も受けに来ています。講義を18時ごろのスタートにしておけば、高校の授業が終わってから参加できます。
広野 ふだん学校で授業をしているなじみのある先生が、大学で講義をしているのを大学生に交じって聞くというのは、そうあることではありませんね。高校から大学へと学びのつながりが実感でき、とても恵まれている環境だといえます。
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