学校説明会レポート
東京学芸大学附属世田谷中学校
2026年9月10日(木)
堅実な学びと豊かな体験を通して、みずから未来を選択する力を育む
「着実・堅実」な教育活動をベースに、生徒一人ひとりの夢の実現と社会で生きる力の育成をめざす東京学芸大学附属世田谷中学校。国立の中学校ならではの研究的な授業の実践や豊かな体験活動を通し、自律的な学びを深めています。
この日の説明会では、最初に校長の増田謙太郎先生が「本校は派手さこそありませんが、足元を見つめ、着実に教育活動を進めている学校です」とあいさつし、将来を見据えて社会で必要な力を育むことの大切さを強調しました。
続いて、副校長の髙田太樹先生から、同校の特色ある取り組みや学校生活について詳しい説明がありました。同校では、一般の公立中学校と同じカリキュラムを基本としながら、教員自身が研究者として「どのような授業を行うと生徒に力がつくか」を日々研究し、その成果を公開しています。また、年間約200名の教育実習生を受け入れ、未来の教員を育成する場にもなっています。授業では単に知識を伝えるだけでなく、生徒一人ひとりの状況をしっかり把握し、考える力や書く力を育む、ていねいな指導を展開。特に理科では、さまざまな骨格標本の活用や解剖実験、地学実習、野外学習など、本物に触れる体験を重視しています。髙田先生は「教室で習ったことを実際の現場で確かめることで、生徒たちは『勉強とはこういうことなんだ、こんなにも楽しいものなんだ』と実感します」と体験学習の意義を語りました。また、1人1テーマで半年間取り組む「テーマ研究」をはじめ、早期から探究学習の手法を身につける学びを展開しています。
評価では100段階評価を採用し、各科目について苦手な生徒をそのままにせず、適切な指導によって3年間で評定を伸ばしていくことも重視しています。また、毎週木曜日、4教科で4コマ設定されている100分授業では、通常の50分授業では難しい実験やグループワークにじっくり取り組むことが可能です。そこでは、課題設定から実験、考察、そして発表までを一つの授業で行うなど、時間を生かした学習が行われています。
学校生活では、各学年の宿泊行事や芸術発表会など、生徒が主体となって取り組む活動も行われています。中1のオリエンテーションキャンプでは、附属小学校からの進学者と一般受検の生徒が親睦を深めます。中2では「秩父・長瀞地学実習」やスタディツアー、中3では生徒自身が企画・行動・管理する修学旅行を実施。芸術発表会では、全校生徒が5か月かけて制作する窓装飾「ステンドグラス」や合唱コンクールなどにも取り組みます。部活動は週2回と限られていますが、生徒たちが主体的に効率良く練習できる方法を考え、学外の習い事やクラブチームと両立しながら充実した時間を過ごしています。
また、進路面について髙田先生は、「本校は公立や私立中高一貫校、他の国立とも異なる『進路選択型附属中学校』であるととらえています」と語り、生徒みずからが将来の進路を主体的に選べる体制であることを強調しました。実際、世田谷区下馬にある附属高校への進学を希望する生徒の90%以上が進学を果たしている一方で、最初から他の国公私立の学校をめざす生徒も多く、結果として附属高校へ進学する割合は6割強となっています。これは附属高校への進学枠が狭いわけではなく、3年間の綿密な面談を通して一人ひとりの志望を尊重している結果といえます。髙田先生は「苦手なものをそのままにせず、指導を通して伸ばしていくのが学校の役割です」と評価や指導に対する姿勢を示したうえで、「学校は生徒も教員も共に育つ場です。ぜひ一度、本校の雰囲気を直接確かめに来てください」と締めくくりました。
2026年11月に体育館・武道場の空調(冷暖房)設備工事が終了し、全施設での空調・Wi-Fi設備が完了します