学校説明会レポート
神戸大学附属中等教育学校
2026年8月31日(月)
国立大学の附属校ならではの
豊かな「ゆとり」のなかで育む「協同」の精神
神戸大学附属中等教育学校は、2009年に神戸大学附属住吉中学校と附属明石中学校の再編・統合により設立された、6年一貫の中等教育学校です。国立大学の附属校として、「研究開発校」「教育実習校」「一貫教育校」という三つの役割を担い、国際的な視野を持ち、真理探究の精神に富むグローバルキャリア人の育成をめざしています。
入学適性検査推進室長の中時貴弘先生は、「社会の先頭で活躍し続ける人材の育成が教育目標です。学びの主体は生徒で、校訓『自治・協同・創造』のうち、特に『協同』を大切にしています」と語ります。同校では各教科で4人1組での協同学習を取り入れているほか、生徒会提案による制服着用の自由化や、兎原祭(文化祭)・体育祭・音楽祭の企画・運営など、生徒主体の校風が根づいています。山の上に位置する校舎へは、朝の通学時間帯のみ市バスが「学校先行運行(逆回り)」を行い、生徒がスムーズに通学できるよう配慮されています。校内でのスマートフォンの使用や大学生協の利用も認められています。
さらに大きな特徴が「時間的なゆとり」です。2学期制を採用し、春・夏・冬の長期休暇に加え、10月の「探究週間」や適性検査期間中の「自宅学習日」など、年間約4分の1が休業期間に充てられ、土曜日の授業もありません。学校単位で受ける模試も最大で年2回に制限されており、テスト勉強に追われることなく、生徒が主体的に探究に没頭できる時間が意図的に生み出されています。また、6年間という長い時間をかけて生徒の成長を見守る教育観も特徴です。中時先生は「6年間あるので中だるみはしますが、わたしはむしろ良いことだと思っていて、自分で気づいて行動するときの変化はまったく違います」と語り、じっくりと生徒を育てる姿勢を示しました。
1人1テーマの個人研究「KP」
適性検査では「学びの報告書」から「作文」に変更
学びの核心を成すのが、6年間を通して取り組む学術探究「Kobeポート・インテリジェンス・プロジェクト(KP)」です。個人研究を前提とし、1~2年生で基礎スキルを身につけた後、3~6年生で4学年合同の「協同ゼミ」に参加。6年生では総仕上げとして1万8000字の卒業論文を執筆します。3Dプリンターや総合気象ステーションなどを備えた「SSラボ」や、有志で立ち上げる自治学習コミュニティー「ASTA」(鉄道班、茶道班、そうじ班など)、国内外研修プログラム「FIT」など、自律的な学びを支える環境も整っています。
進路指導もていねいで、個別面談を重ねて一人ひとりの希望進路の実現を支援しています。文系であっても全員が「数学Ⅲ」の内容まで学ぶカリキュラムや、物理・化学・生物・地学の4領域を扱う「科学総合」を土台に、一般選抜はもちろん、希望者が増加している国公立大学の総合型・学校推薦型選抜への対応にも力を入れています。
この日は、入学適性検査における最大の変更点として、事前提出だった「学びの報告書」を廃止し、2027年度から検査当日に「作文」(25分・40点・400字程度)を実施することが伝えられました。当日の着席確認時刻は13時40分で、終了は18時25分となります。作文の趣旨について、中時先生は「志願者がこれまでに努力や工夫をして取り組んできたことを、自身のことばで表現するものです」と説明。作文を不安に思う保護者の方から個別の質問もありましたが、「結果の成否にかかわらず自由に書いて大丈夫ですので、特別に身構える必要はありません」というアドバイスに、安心した様子でした。