学校説明会レポート
東京都立桜修館中等教育学校
2026年9月10日(木)
校風「自由と自治」の下、6年間の学びと縦のつながりを大切にする
東京都立桜修館中等教育学校は、1929年に7年制の府立高等学校として誕生しました。1949年に東京都立大学附属高等学校となり、2006年に6年間完全一貫の中等教育学校に改組されました。
SAPIX代々木ホールで開かれた説明会では、統括校長の信岡新吾先生が登壇し、「本校のスクールミッションは国際社会を担う人材の育成です。卒業までの6年間を通じて、高い知性と広い視野、強い意志を養うことを、教育活動全般を通じて行っています」と説明。東京都の「海外探究フィールドワーク」や「探究的な学び推進事業」の指定校になっており、都から予算を得て、先進的な取り組みをほかの学校にも広める役割を担っており、文部科学省の「総合的な学習(探究)の時間」が始まる以前から課題研究に取り組んできた実績も紹介されました。
教育課程では、「確かな学力を身につけること」を目標に、6教科8科目型の学習指導を行っています。難関国公立大学の入試に対応するため、英語は少人数授業、数学は習熟度別の2クラス少人数制で実施。数学は6年生(高3)の夏前に数Ⅲ、理科は9月ごろ、社会は10月に教科書の内容を終えると言います。これは、先取り学習を特に重視するのではなく、「学校の授業が終わるころには受験勉強も終わるという中身の濃い授業を実施しており、昨年、東京大学に進学した生徒も、『理科と社会は学校の勉強だけで十分』と話すほどです」と話します。
また、第二外国語も特色の一つです。フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語の五つの言語から選択でき、4・5年生(高1・2)では週1単位の講座を受講します。「五つの言語から選べる学校はそうないと思います」と信岡先生は話しました。
また、学校独自科目「国語で論理を学ぶ」「数学で論理を学ぶ」も同校ならではです。前期課程の1年生(中1)から3年生(中3)まで、それぞれ1コマずつ設けられており、「国語で論理を学ぶ」では、新聞のスクラップをまとめるところから始め、「論理的に読み取る力」「考える力」「表現する力」を身につけていきます。探究活動をベースに学びを進め、最終的には論文にまとめます。こうした学びは、記述問題や総合型選抜の小論文など、大学入試の論述対策としても生かされているとのことです。
国際理解教育では、年間を通じて、学校間交流を行っています。1・2年生(中1・2)を対象に、インドネシア、マレーシア、タイ、カナダ、オーストラリアなどからの外国人留学生と校内で交流する「グローバルスタータープログラム」を実施。5年生(高1)では修学旅行で台湾に行くほか、3・4年生(中3・高1)を対象とした「オーストラリア海外語学研修」や、UCLAで大学生と意見交換を行う「海外大学リーダー育成アメリカ研修」など、希望者向けのプログラムも用意されています。
続いて、今年3月に卒業した15期生の進路実績が紹介されました。国公立大学には52名が現役合格しており、信岡先生も「卒業生の半分弱が国公立に合格していることが強みです」と話します。この15期生からは、進路を固めるための面接を校長が一人ひとりに対して行っています。「東京大学に入る実力がある学年トップの生徒でも、本人がこだわりを持って別の大学へ行きたいと言うのであれば、その意思を尊重します。とにかく上をめざせというのではなく、生徒たちの志望を尊重するのも本校の特徴です」と話しました。
入試については、2月に行われる適性検査の総合成績の算出方法が変更されます。これまでは報告書点を300点、適性検査を700点に換算した計1000点満点でしたが、2027年度からは報告書点を200点、適性検査を800点に換算した計1000点満点となります。適性検査Ⅰは200点、適性検査Ⅱは600点に換算されます。
「自由と自治」を校風とする同校では、学校行事も生徒たちが中心となって運営します。実行委員会が中心となって5月に行うクラスマッチ(球技大会)では、6年生(高3)が入学したての1年生が楽しめるように企画・運営しているそうです。その様子について信岡先生は、「最年長の学年よりも、新1年生がいちばん楽しんでいます」と。話しました。最後に「卒業式には卒業生たちが花束を持ち、お祝いに駆けつけてくれます。こんなに縦のつながりが強い学校はなかなかないと思います」と語り、説明会を締めくくりました。
東急東横線「都立大学」駅から徒歩10分のキャンパス。屋内プール、テニスコート、柔道場、剣道場なども備えています