外部コンテストに挑戦し
有志団体も立ち上げる
今年、東京大学に進学した佐々木心音さんが清泉女学院に入学した2020年春は、新型コロナウイルスが流行していた時期。そのため登校はできず、オンライン授業が続きました。「オンライン上で顔は見えるものの、早く学校で友だちに会いたい」と願っていたと言います。そんななか、心に残ったのが地理の北宮枝里子先生によるオンライン授業『目からウロコの世界遺産』でした。佐々木さんは、当時の授業を振り返ってこう話します。「先生がオンラインでも楽しめるようにと、クイズ形式を取り入れるなど授業を工夫してくださり、とても楽しかったです。世界中の人々がいろいろな価値観を持っているなかで『人類共通の宝物として守っていこう』というコンセプトに強い感銘を受け、地理のおもしろさ、地理だけでなく歴史や理科などの視点から多角的にひもとく世界遺産の魅力に引き込まれました。中高6年間ずっと地理が好きで、大学へとつながる探究の原点になりました」
中3時には、外部コンテスト「世界遺産×SDGsチャレンジ!プレゼンテーション部門」に友人と共に参加。富岡製糸場の保全や観光課題に対し、オリジナルチャリティーグッズを作成・販売して収益を寄付する取り組みを提案し、最優秀賞を受賞。その提案を実行に移しました。高2の冬には、「世界遺産を身近に感じられ、生徒も先生も気軽に語り合える場をつくりたい」と、仲間と共に「世界遺産探究カフェ」という有志団体を校内に立ち上げました。この活動は現在も後輩へと受け継がれています。
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中高6年間、世界遺産について探究し続けた佐々木さん。東大でさらに学問を深めていきます
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外部コンテストでの提案で制作・販売したチャリティーグッズ。デザインは生徒から募集しました
東大の研究プログラムに参加し
「ここで学びたい」と実感
世界遺産について研究を深めたいという意欲が増した佐々木さんは、高2のときに、東京大学の高校生向けの研究プログラム「UTokyoGSC-Next」に参加しました。「東大教育学研究科の先生方からご指導いただき、『東大に進んでこの先生に教わりたい』という強い思いが芽生えました。さらに、合同発表会では、ハイレベルな研究や情熱があふれ出る研究発表を目の当たりにして刺激を受け、『こんな環境で学びを深めたい』という思いが募り、東大を志望することを決心しました」
学校推薦型選抜と一般選抜の両方を視野に入れることになった佐々木さんを支えたのが、先生方の手厚いサポートでした。「清泉の先生方は志望理由書のていねいな添削指導や本番仕様の模擬面接をしてくださいました。また、推薦型選抜の合格発表が出る2月中旬まで、一般選抜に向けた個別指導も並行して行っていただきました。勉強を継続できたのは、先生方の温かい支えがあったからです」と、佐々木さんは振り返ります。
面接・プレゼンテーションでは、世界遺産教育の教科横断的アプローチについて執筆した研究論文の内容や、「世界遺産探究カフェ」の活動について発表。面接では、「なぜ他でもない世界遺産を教育で扱うのか」という質問を受けたそうです。「自分なりにお話できたと思いましたが、『あれでよかったのか』と自問することもあります」と佐々木さん。その答えを見つけるために、自主ゼミでは世界遺産をテーマに選び、一歩踏み込んだ研究に取り組んでいます。
「今後は、平和教育や環境教育と結びつけた世界遺産教育などについても研究を深めていきたいと考えています。将来は理論と実践の架け橋となる教育学の研究者をめざしています」と話す佐々木さんは、最後に受験生に向けて、こうメッセージを送ってくれました。「清泉の授業には『探究の種』がたくさん散りばめられています。やりたいことを見つけたとき、先生方は『やってごらん』と温かく応援してくださいます。共感してくれる友だちにも出会えるでしょう。この温かい学校で、すばらしい中高6年間を過ごしてください」