受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

体験重視の学びを通して
時代の変化に対応できる
知力とたくましさを育む

中央大学附属中学校・高等学校 校長 石田 雄一 先生

総合学園構想で中高大連携を強化
未来を見据えたキャリア教育を

野口 中高6年間の学びを通して、最終的には中央大学の基幹となる学生を育てたいという方針だと思います。そのための中高大連携プログラムも充実していますね。

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石田 現在、中央大学では総合学園構想を推し進めています。中高大の連携をさらに深めていく方針で、すでに本校では、中学の段階から大学での学びを体験できるようになっています。たとえば、ロースクールとの連携教育では、生徒が実際に中央大学の法科大学院に行き、教授などから講義を受けた後、グループごとに大学院生を交えてディスカッションをします。法科大学院の模擬法廷をお借りして、模擬裁判にも挑戦します。そうした体験を通じて、法学とは何か、法律家とはどういうことをするのか、理解を深めます。

 ICT化が進めば職業も大きく変わりますが、弁護士の仕事は人工知能(AI)にはできません。法律の世界は泥臭いものです。また、すべてのことが法律で決まっているわけでもありません。世の中はグレーゾーンだらけで、AIに聞いても答えられないことがたくさんあります。昔に比べて人の権利意識は強くなったので、これから先、法律家はますます重要になります。その意味でも、中学の段階から大学での講義に参加するなどして、法律に触れていくことは大切です。総合学園構想では、そうしたキャリア教育を高大連携という形で、これまで以上に推進していく考えです。

神田 これからの世の中では、答えのない問いが次から次へと出てきます。たとえAIが情報を積み重ねたところで、白か黒かしか判断できませんから、グレーゾーンについては、社会や個々の人たちにとって尊重すべきことを考えながら、人間が判断していかなくてはなりませんね。

21年11月 さぴあインタビュー/全国版:
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