受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

将来を見据えた10年一貫教育で
社会の担い手となるための
強固な土台を形成する

法政大学第二中・高等学校 校長 五十嵐 聡 先生

全教科で基礎をしっかり育成
英語と数学では「定着」を重視

先生写真
校長 五十嵐 聡 先生

神田 学則の教育理念に「人格の完成をめざして国民的共通教養の基礎を築き、平和的で民主的な国家および社会の形成者を育成する」とあります。この「国民的共通教養」の説明として、知的な飾り物としての教養ではなく、「学問を担う主体、社会の形成者としての主体を形成する教養を培う教育を進めていく」とありますが、これが学びの基本ですね。

五十嵐 本校は大学の付属校ですから、受験勉強にとらわれることがありません。中学でも高校でも、全教科にわたって基礎的教養を身につけることを大切にしています。そこで特に重視しているのは、知識を獲得するだけではなく、自分で問題点を見つけて調べ、それによって視野を広げることです。ですから、どの教科でもレポートの課題を出し、一人ひとりが取り組んだ内容を発表させ、それについて討論するなど、成果を共有することを大切にしています。

西川 教育の特徴としては「定着学習」も挙げられています。具体的にはどのように進めているのでしょうか。

五十嵐 定着学習は中学の英語と数学で取り組んでいるものです。中1では「英語定着」を週1コマ、中2・3では「英語定着」と「数学定着」を週1コマずつ配置し、1週間の学習内容の確認を行っています。復習を中心としたテスト形式で、不十分であれば補習を実施します。

キャプションあり
上/約1300名を収容できる木月ホール。式典、講演会、演奏会など多目的に活用されています
下/時計塔本館前のグラウンドのほか、野球場、陸上競技場、サッカー場などがそろい、スポーツに打ち込めるのも魅力です

西川 1クラスが少人数ですから、そうした指導も効果的にできますね。

五十嵐 補習には放課後の1時間を充てていますが、実際にはそれ以上やっているようです。数学は特にそうですね。個別指導に近い形で行っています。

西川 先生方は大変ですが、保護者にとってはありがたいことです。英語と数学は積み重ねが大事な教科ですから。

神田 英語と数学の授業は1クラスを2分割してきめ細かく指導しているそうですね。理科でも教員2名体制のチームティーチングの授業があるのですね。

五十嵐 理科の実験は2コマ連続で、そこに2名の教員が入ってチームティーチングを行っています。やはり複数の目で見ると違います。互いに学ぶところがありますし、生徒たちもいろいろな見方ができます。実験の際は生徒それぞれが実験ノートを作ります。それを毎回提出させて、教員がチェックしたりコメントを書くなどして返します。そのやり取りが、生徒にとって学びになるだけでなく、教員にとっても新たな発見があります。そういうところは大切にしていきたいと思っています。

22年1月 さぴあインタビュー/全国版:
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