受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

より深く、より広く学び、
みずから考え活動する毎日が
未来を開く力を育てる

吉祥女子中学・高等学校 校長 赤沼 一弘 先生

大切なのは自分で決めること
そうすれば失敗も糧になる

集合写真

神田 この5年間の大学合格実績を拝見しましたが、難関大学への実績が着実に伸びていますね。進路指導はどのような方針で行われていますか。

赤沼 もちろん生徒が希望する大学に進むのが一番ですが、常にその先を見ていてほしいと思っています。そのために、6年間でステップを踏みながら、将来の生き方や人間力を高めるプログラムを実施しています。

 どんな道を選ぶにしても、大事なのは自分で決めることです。自分で決めたことなら後悔はしません。最近の子どもたちは、失敗することを恐れているように思います。入学式のあいさつのときにも保護者の方にこう伝えました。「失敗しても構いません、子どもが決めたならその背中を押してあげてください」と。自分で判断してうまくいかなかったら、「次はどうしようか」と自分で考えます。そこで工夫が生まれ、それが成長につながるのです。自分で判断してやった失敗は次の糧になりますが、人が用意してくれた場での失敗は、結局その人のせいにしてしまって何も学べないと思います。

神田 おっしゃるとおりですね。最後になりますが、これから受験を控えている小学生、そして保護者の方に先生からメッセージをいただけますでしょうか。

赤沼 どういう子に来てほしいかとよく聞かれます。学校としては教育目標に合致する子が望ましいのでしょうが、わたし個人としては、どういう子でもいいと思っています。いろいろな子がいて、いろいろな考え方があって、やりたいこともいろいろある。そういう子どもたちが、たまたま本校に集まって、仲良くなったり、けんかしたりしながら6年間を過ごすなかで成長し、将来的に学校の建学の精神に合致するような人に育ってくれれば十分なのです。

 小学6年生に「こういう人であってほしい」なんて言えません。これからどう成長するかわからないのですから。いろいろな可能性を持った状態で入学してきてほしいというのがいちばんの願いです。

中野 お話を伺っていて、先生は本当に子どもたちのことを考えていらっしゃるのだとつくづく思いました。生徒たちがうらやましいです。

神田 本当にそうですね。先生がおっしゃるように、子どもがこの学校に行きたいと思って決めたなら、保護者の方はその背中を押して応援してあげてほしいですね。本日はありがとうございました。

22年2月号 さぴあインタビュー/全国版:
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