受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

本質を考える学びの日々が
不確実な未来に向かって
力強く生きる女性を育てる

大妻中学高等学校 校長 梶取 弘昌 先生

思考の土台になる知識の習得は
予習と小テストでていねいに指導

野口 カリキュラムや授業方針については、どんな方向性をお考えですか。

聞き手1
サピックス
小学部教務本部
野口 伊知朗

梶取 たとえば、最近では「アクティブ・ラーニング」がもてはやされています。しかし、丸テーブルを用意して、グループに分けて授業をすればアクティブだというものでもありません。従来どおり、黒板に板書する形の授業でもアクティブに成り得ますし、それをやるのが教員の力なのです。授業を組み立てるとき、教員はそれぞれアウトラインを持っています。そこから外れるような発言を生徒がしたとき、「それは、今は関係ないから黙っていなさい」と言うようではだめですよね。そうではなく、「そのことは考えていなかったな、みんなで考えてみよう」と教員が言えれば、授業はアクティブになります。

 題材はいくらでもあります。たとえば、今年は梅雨が早く明けました。異常気象と言ってしまえば簡単ですが、これから日本の気候がどうなっていくのか、インターネットなどを利用して調べてみる。さらに進んで、そのテーマをどれだけ深められるのか、これが「探究」です。このような思考回路を生徒たちには持ってほしいと思っています。

野口 考える土台となる知識の習得については、頻繁に小テストを行うなど、ていねいな指導をしていると伺いました。ただ、いずれはみずから勉強するように、指導方針を切り替えなくてはならないと思います。その辺りはどのようにしていらっしゃいますか。

梶取 中学生の段階では、基本的に予習の大切さを言っています。予習をすれば授業がよくわかります。ただ、それでも忘れてしまいますから、復習として小テストを行い、合格点が取れなかった場合は補習もします。中学3年間はしっかりと基礎固めを行い、予習の進め方やノートの取り方もきちんと指導します。高校生になってからは、進路に応じた学習をしていくことになりますから、そのなかでみずから勉強の仕方を身につけることが大切です。

22年10月号 さぴあインタビュー/全国版:
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