受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

本質を考える学びの日々が
不確実な未来に向かって
力強く生きる女性を育てる

大妻中学高等学校 校長 梶取 弘昌 先生

保護者はいちばんの理解者
子どもの声に耳を傾けてほしい

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神田 大学進学実績を拝見しますと、今春も非常にすばらしい結果となっています。割合からすると、進路は社会科学系が中心にはなると思いますが、その次に多いのが自然科学の分野ですね。

梶取 自然科学分野に進んだのは3割ほどですね。理系というと、数年前まではいわゆる白衣系ばかりでしたが、最近は工学や建築のほうに進む卒業生も多くなっていると聞いています。

神田 医学部には今年は既卒者を含め10名が進んでいます。首都圏の大学に加えて徳島大学に進学した卒業生もいますね。

梶取 わたしが「外に出ろ」という場合は、海外だけでなく、地方も含まれています。医学部に限らず、地方の国公立大学を受けてほしいですね。保護者の方は子どもを遠くに出すのを嫌がりますが、親元を離れて苦労したほうがいいと思います。医学部にしても地方の国公立大学のほうが入りやすいでしょう。また、地方の医学部で学んだら、そのまま地域医療に貢献して、地域で受けた恩恵をきちんと返してほしいと思います。高い収入が得られるから医師になる、という考え方では困ります。知人に「国境なき医師団」で毎年海外に行っている女性がいますが、理由を聞くと「自分が行くことで救われる人がいるから」と言っていました。そういう使命感を持ってほしいと思います。

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神田 中学入試についてですが、今年は4回行われた一般入試のうち、第2回は前年に比べて応募者が増えています。また、4回すべてで応募者数に対する実受験者数、つまり出席率が前年を上回っていて、貴校に対する期待感の高さを感じます。最後に、受験生と保護者の方にメッセージをいただけますか。

梶取 保護者の方には「お子さんの味方になってください」とお伝えしたいですね。中学受験はどうしても親が主導で進みがちですが、子どもには子どもなりの悩みがあります。どうぞ子どもたちの声を聞いてあげてください。いちばんの理解者は保護者の方なのですから。受験生に対しては、もちろんめざす学校に入ってほしいと思いますが、「そこだけがゴールではないよ」と伝えたいですね。思いがかなわなかったとしても、中学・高校はこれからの人生の通過点でしかありません。人生はもっと長いのですから。

神田 大事なのは、どの学校に決まっても、入った後に自分がどれだけ成長できるかですね。第一志望、第二志望にとらわれ過ぎず、がんばってほしいと思います。本日はありがとうございました。

22年10月号 さぴあインタビュー/全国版:
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