受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

自主自立の精神の下、
多様な進路希望に対応した
質の高い独自の教育を展開

早稲田中学校・高等学校 校長 川口 浩 先生

附属校の良さと進学校の良さの
両方を備えているのが強み

先生写真
校長 川口 浩 先生

髙宮 川口先生は早稲田大学政治経済学術院の教授をされながら、2020年に校長に就任されました。早稲田大学の附属・系続校について、どのような印象をお持ちですか。

川口 わたし自身は、早稲田大学高等学院の出身で、高校3年間はクラブ活動に打ち込んでいました。高等学院は設置者が早稲田大学で、卒業生は原則として全員が早稲田大学の各学部に進学できるため、それが可能でした。その点、設置者が大学とは別である本校はわたしの感覚とは少し異なりますが、早稲田大学と根っこの部分でつながっているところは共通です。教育理念にしても、大学を持たない進学校とはまったく違うと思います。

髙宮 7校の附属・系属校のなかで比べたとき、一番の特色というと、どのようなところになりますか。

キャプションあり
上/調理の専門学校のような充実した設備が整う家庭科教室。スパイスからカレーを作るなど、本格的な料理にも挑戦します
下/二つの音楽室があり、第二音楽室には1人1台の電子ピアノを用意。中1から実技指導を行っています

川口 高等学院や早稲田実業学校のように、卒業生のほとんどが早稲田大学に進む学校がある一方、本校は例年、早稲田大学に推薦で進学するのは卒業生の半数です。残りの半数は一般受験をして早稲田大学や慶應義塾大学といった最難関の私立大学、あるいは国公立大学や医学部医学科などに進学しています。ですから、附属校と進学校を足して二で割ったようなところがあります。双方の良さを取り入れているのが大きな特徴であり、ある意味で難しさだとも思います。その難しいところを上手に舵取りしているのが本校だと考えています。

髙宮 「大学にそのまま進めると思って入ったのに、なぜこんなに勉強するのか」と思う生徒もいるのではありませんか。

川口 小学生の保護者の方には、そのような誤解はなさらないようにお願いしたいですね。本校は附属校ではありませんし、附属校だから楽だということもけっしてないと思います。推薦で早稲田大学に進む卒業生も、一般受験で合格できるくらいの力をつけて送り出すことが、本校の使命だと考えています。

22年11月号 さぴあインタビュー/全国版:
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