受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

自主自立の精神の下、
多様な進路希望に対応した
質の高い独自の教育を展開

早稲田中学校・高等学校 校長 川口 浩 先生

30年の実績がある6年一貫教育
多様性を尊重したクラス運営

広野 カリキュラムには、どのような特徴がありますか。

聞き手1
サピックス
教育情報センター本部長
広野 雅明

川口 6年間を中学と高校の3年ずつに区切らず、6年一貫教育を行っているところが、大きな特徴だと思います。早めにできるところは早めに終わらせて、最後に残った時間を有効に使う、カリキュラムはそういう組み立てになっています。高校募集のない6年一貫校として、30年近くの歴史を歩んでいますから、ノウハウはしっかりできています。どのように6年間を構成すれば、最後はどう仕上がるかというノウハウがシラバス上で完成していますので、そこは自信を持っているところです。

広野 頻繁に小テストをしたり、家庭学習のノートをチェックしたり、放課後補習をしたり、ふだんからそうしたていねいな指導をされていると伺いました。

川口 学習面では、きめ細かくフォローしています。部活動は週4日以内で、終了時刻も17時30分と早いので、学習時間を確保できます。中学では、学習不足の生徒は放課後の部活動を休ませて、補習でしっかり引き上げるようにしています。

広野 文系と理系に分かれるのは高2からですね。推薦で早稲田大学に進む生徒と一般受験をする生徒とで、クラスは分けるのでしょうか。

川口 高2で文系と理系に分かれた後も、文理の枠を超えて基本的に全教科を学ぶことになっています。推薦クラス・受験クラスといった組分けはしていませんし、習熟度別のクラス編成もしていません。少人数での授業は、ネイティブ教員による英会話だけです。教員にしてみれば、同じようなレベルの生徒を集めて少人数で対応するほうが手は掛かりませんが、習熟度別のクラスを設けると、下のクラスの生徒が劣等感を持ってしまう場合があります。いろいろな生徒がいて、教えたり教わったりして、お互いに影響を与え合うのがいいのです。また、多様な進路を希望する生徒が同じクラスに混在していると、お互いの価値観を尊重し合い、刺激し合い、自分も挑戦していこうと思う、そんな相乗効果があります。いろいろな生徒がわいわいやりながらクラスを作り上げていくほうが、活気がありますし、生徒にとっても、毎日の学校生活を伸び伸び過ごせると思います。

22年11月号 さぴあインタビュー/全国版:
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