受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

伝統ある人格教育を柱に
学び合い、高め合いながら
自分らしく誇りある生き方をめざす

日本女子大学附属中学校・高等学校 校長 野中 友規子 先生

どこに行っても誰とでも
生きられる力をつけてほしい

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神田 今年度の高校の大学進学実績を拝見しました。日本女子大学に進学された方の75~80%が希望する学部に進学していて、内訳は家政学部が129名で最も多く、次いで人間社会学部、国際文化学部の順になっています。他大学への進学実績では国公立大学に11名の方が合格され、私立の難関大学にも数多くの合格者が出ています。女子の附属校というと文科系が強いイメージがありますが、医学部にも20名が合格していますね。

野中 理科好きの生徒は多く、理科系・文科系はだいたい半数ずつです。将来のキャリアについて、今は変動的な時代ですから、この道がだめなら別の道もある、と柔軟に考えることが大切です。海外に出る仕事でも先進国とは限りませんし、地元の企業に就職するといっても大きな企業だけではありません。どこに行っても、誰とでも生きていけるような力を身につけてほしいと思います。その意味で中学・高校という多感な時期にどんな価値観を持って過ごすかは重要だと思います。自分のことだけを考えるのではなく、他者と手を取り合いながら生きるにはどうしたらいいかを考えられるようになってほしいですね。

安酸 中学入試については、2024年度は2月1日の第1回入試の募集人員が変わりますね。

野中 10名増えます。附属小学校が6年生のクラス定員を減らしたためです。第1回入試は第一志望の方がとても多いので、やはり第一志望の方に入っていただきたくて、そのようにしました。

安酸 面接は事前に行われますね。

集合写真

野中 1日の午後に他校を受験したいと考えている人もいますから、ここ数年は事前面接の形で行っています。事前に来ていただくと学校の雰囲気もわかります。「自分のことばで語る人」になるための第一歩として、「入学したらどんなことしたいか」「何をがんばっていきたいか」という思いを伝えることで、夢や意欲を持って入学していただければと思っています。

神田 最後に受験生と保護者の方にメッセージをお願いいたします。

野中 受験勉強をしていると、「この勉強に意味があるのだろうか」と思うこともあるでしょう。でも、勉強をすれば新しいことがたくさんわかりますし、刺激になることも多いと思います。それは中学に入ってから、あるいは高校や大学に入ってから、社会に出てから、ほかの何かと結びついて花咲く瞬間が絶対にあります。やったことはけっして無駄にはなりません。そういう気持ちで楽しみながら勉強してほしいと思います。保護者の方は「この学校に行きたい」というお子さんの気持ちを大事にしてあげてほしいと思います。自分で選んだほうが強い気持ちを発揮します。女の子は特にそうだと思います。ぜひ自分の力で選ばせてください。

神田 今日のお話で、先生方がどのような思いで教育をされているのかがよくわかりました。ありがとうございました。

23年7月号 さぴあインタビュー/全国版:
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