受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

独自の教育で体験する
学びを深める楽しさが
みずから道を切り開く力に

逗子開成中学校・高等学校 校長 小和田 亜土 先生

苦難の歴史を乗り越え進学校に
海洋教育、国際教育を推進

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 貴校は今年120周年という大きな節目を迎えられました。初めに、沿革についてご紹介いただけますか。

小和田 本校は1903(明治36)年、東京の開成中学校の分校として創立されました。創立者は当時、開成中学校の校長だった田邊新之助先生で、都心から離れた、海と山に囲まれた環境が教育に適しているとして、この逗子が開校の地に選ばれたのです。1909年に開成中学校から独立し、逗子開成中学校と改称しましたが、その翌年、七里ヶ浜ボート遭難事故があり、その後も関東大震災で建物が壊れたり、火事で校舎が焼失したりと、苦難の歴史を歩んできました。1980(昭和55)年には北アルプス八方尾根での山岳部の遭難事故が起きたことで混乱に陥りましたが、そのとき卒業生で実業家の徳間康快が理事長になって学校改革に取り組んだことで、本校は大きく変わりました。志願者の減少などの影響で、1973年から中学の募集を停止していましたが、徳間理事長の方針で1986年に中学募集を再開したのです。そして、「本校を進学校にする」という明確な目標を打ち出し、逗子という環境を生かした海洋教育や情操教育を行うとともに、国際社会を担う生徒を育成するためにグローバル教育にも力を入れました。こうした方向性が今の逗子開成の原点になっています。

神田 困難を乗り越えて刻まれた歴史のなかで、徳間先生が推進した学校改革が大きな転換点となったのですね。先生は「日本一の学校にするのだ」とよくおっしゃっていたそうですね。

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23年9月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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