受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

ゆとりある教育環境の下、
大学進学の先を見据えた
独自の教育を展開

早稲田実業学校中等部・高等部 校長 恩藏 直人 先生

早大では英語による授業が増加中
高等部でも英語力が高い生徒が多い

先生写真
校長 恩藏 直人 先生

髙宮 学習面で大切にされているのは、全教科とも、基礎力の養成を徹底し、早稲田大学に進学するに当たって恥ずかしくない学力を獲得することですね。大学のほうから付属・系属校に求めている学力レベルといったものはあるのでしょうか。大学によっては、英語力が要求されることもありますが、早稲田の場合はいかがですか。

恩藏 学部によって異なり、なかにはTOEFLの数値である程度のハードルを設けている学部もあります。大学で教えている側から見ると、付属・系属校出身者のほうが英語の能力は高いように感じます。わたしのゼミでもそうですね。帰国生や留学経験のある学生も少なくありません。本校で交換留学に行くような生徒は、だいたい英検®準1級は持っています。高校卒業までに1級を取るのはかなりのレベルだと思いますが、それが1人や2人ではありません。

広野 大学に入って英語ができないと、まず英語をやらされるという話はよく聞きます。

キャプションあり
上/437名を収容できる小室哲哉記念ホール
下/図書館の蔵書数は約7万8000冊。1階と2階に151席の閲覧室があります

恩藏 早稲田大学はチュートリアルイングリッシュが充実していて、2~4人の学生に指導者1人がついてレベル別に教えています。

髙宮 早稲田大学では、留学生を増やすためにオールイングリッシュの授業を積極的に導入しているそうですね。

恩藏 大学のビジョンとしては2032年までに、すべての講義の半分を英語で行いたいと考えています。それくらいしないと海外から留学生は来てくれません。日本の大学で学びたいと考える外国人はたくさんいますが、事前に日本語を学んでまで行こうという人はそうはいません。「英語で学べる環境があるなら日本に行こう」と考えるようです。高校でも、近い将来、英語による授業が必要になってくるのではないかと思います。全部ではなくても、たとえば数学などは英語でできるでしょう。早稲田大学の政治経済学部では、数学のアドバンスクラスの講義は英語で行っています。本校は政治経済学部への希望者が多く、優秀な卒業生が進学しています。高等部でも英語による簡単な数学の授業があってもいいのかもれません。

髙宮 イギリスの名門パブリックスクールやアメリカのボーディングスクールには世界中から生徒が集まりますし、日本でも、まだ数こそ多くはありませんが、そうした学校をめざす動きがあります。そういう流れを見ると、中等教育も世界で戦っていかなくてはならない時期が来ていると実感しています。

恩藏 そうですね。日本の学校もそういう意識を持っておいたほうがいいと思います。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

23年11月号 さぴあインタビュー/全国版:
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