受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

ゆとりある教育環境の下、
大学進学の先を見据えた
独自の教育を展開

早稲田実業学校中等部・高等部 校長 恩藏 直人 先生

卒業生のほぼ全員が早大に進学
医学部志望者には指定校推薦も

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髙宮 高等部卒業後は、ほぼ全員が早稲田大学に推薦で進学できると考えてよろしいでしょうか。

恩藏 高校3年間の成績によって内部推薦の可否が判断されますが、今春の卒業生を例にとると、卒業生394名中375名が推薦で早稲田大学に進学しています。医学部のように早稲田大学に希望学部がない場合は他大学に進学します。医学部については日本医科大学から2名の推薦枠をいただいています。付属・系属校で各校2名ずつ、計6名の枠があるのですが、他校で希望者がいない場合には調整があり、今年は本校から3名が推薦で進学しました。わたしも日本医科大学の説明会に行ったことがありますが、学長みずからが説明をしてくださり、付属・系属校の生徒を対象に模擬講義までしてくださいました。対応が手厚くて驚きました。

髙宮 それだけ期待されているということだと思います。

恩藏 付属・系属校の卒業生は大学受験のための勉強に追われておらず、ポテンシャルが高く、伸びしろが大きい、大学に入ってからのパフォーマンスがいい、とお褒めのことばをいただきました。

広野 推薦で早稲田大学に進む場合は、どの学部を選ぶかが大きな問題ですね。面談を重ねて選ぶことになるのでしょうか。

恩藏 担任と生徒、場合によっては保護者の方も交えて面談を重ね、じっくり志望学部を選んでいきます。学部の中身がわからないと偏差値だけで選ぶことになりかねません。そうするとミスマッチが起こりやすいので、内容をよく理解することが大切です。たとえば、高校までの課程には「商学」という学問はありません。高校生にはわからない学問が大学にはたくさんあるので、しっかり調べ、どこが自分に向いているかをきちんと考えなくてはなりません。

髙宮 理工系だけでも、基幹理工、創造理工、先進理工と3学部もあって、高校生は違いをイメージしにくいと思います。付属・系属校ならそこは十分に説明してもらえますし、先輩たちもいるのでわかりやすいですね。大学の授業を聴講することもできるのですね。

恩藏 高等部の2年生になると、各学部の教授による模擬講義を受けることができます。また、2年生と3年生は大学の正規授業を聴講できます。試験を受けて所定の成績を収めると、高等部在籍中に大学の単位を取得できます。いずれにしても、何を学ぶかをきちんとわかったうえで学部・学科を選んでほしいですね。

広野 学部・学科選びがしっかりできるのが付属・系属校の大きな強みですね。

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髙宮 それでは最後に、中学受験をめざす子どもたちにメッセージをいただけますか。

恩藏 何より早稲田実業とはどんな学校なのか、しっかり確認してください。偏差値だけではなく、学校の歴史も知ってほしいですし、地理的なことも大事です。通いやすいかどうかは大きな要素です。伝統の継承と新たな価値の創造に共に取り組もうという、意欲あふれる皆さんの入学を待っています。

髙宮 学校によって教育内容は違いますし、カルチャーも雰囲気も違います。そうしたところもよく理解したうえで志望校を選んでいただきたいですね。ありがとうございました。

23年11月号 さぴあインタビュー/全国版:
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