受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

カトリックの教えに基づき
他者を思う精神を大切にする
“明星紳士”を育てる

大阪明星学園 明星中学校・明星高等学校 校長 野中 豊彦 先生

海外研修や留学の機会が多く
「大人」に成長するきっかけに

聞き手1
サピックス小学部
上本町校校舎責任者
石原 達也

石原 次に、特徴ある学校行事について教えてください。

野中 本校では、毎年9月に体育大会と学園祭を実施しています。体育大会は本校のグラウンドで実施しており、高3生が浴衣を着て民謡を歌いながら踊るという、50年以上前から続いている伝統の出し物もあります。

 学園祭は、大学の文化祭のように、食品を扱う企画が多いのが特徴です。新型コロナ対策が緩和した2023年は入場制限をなくしたため予約が殺到し、申し込み期間の途中で受付を締め切らざるを得ませんでした。6年生になると忙しいでしょうから、こうした行事は、4・5年生のうちにぜひ見に来ていただき、本校の良いところも悪いところも確認していただきたいと思います。

立見 修学旅行や海外研修といった行事についても、以前のように戻りつつあるのですか。

野中 はい。今はほとんど制限なく実施しています。海外研修も完全に復活しました。本校では、希望者向けの海外研修がたくさんあります。まず、中2・3では、オーストラリア語学研修。これは夏休み中の短期留学で、現地ではホームステイをしながら現地校でプレゼンテーションをします。中3ではカナダ、ニュージーランド、イギリス、オーストラリアでのターム留学(約3か月)や、セメスター留学(約6か月)があります。いずれもホームステイをしながら現地の学校に通い、留学先の生徒たちと一緒に授業を受けながら異文化に触れます。そのほか、夏休みなどを利用した高1・2対象の短期留学プログラムもあります。そこでは、北米やアジアの国々の大学などで、多彩な研修やアクティビティーに参加します。

 こうした海外留学のプログラムは以前より増えてきました。それは、語学の勉強という意味だけでなく、海外に出て荒波にもまれることで、精神的にたくましくなってほしいという思いがあるからです。以前はターム留学だけでしたが、それより長いセメスター留学を設けたのも、そのためです。

立見 海外では待っていても誰も助けてくれませんから、たくましくなるでしょうね。

野中 出発前は、「武者修行や!」「耐える気持ちや不便を実感しに行くのだ」などと厳しいことを言います。そして、生徒には「親離れしなさい」と、保護者の方には「子離れしてください」と言っています。なかには留学先で上手にコミュニケーションが取れずに残念な思いを抱えたまま帰ってくる生徒もいますが、それはそれでいい経験です。その後の授業態度や学校生活が引き締まってきます。

24年2月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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