さぴあインタビュー/関西情報
カトリックの教えに基づき
他者を思う精神を大切にする
“明星紳士”を育てる
大阪明星学園 明星中学校・明星高等学校 校長 野中 豊彦 先生
ビジネスコンテストなど
校外での活動への参加を推奨
立見 留学中は学校のカリキュラムから外れることになるわけですが、それを心配する生徒や保護者の方もいるのではないですか。
野中 現地の学校での勉強ももちろんありますが、本校での授業にも遅れないよう、動画教材などを使って自分で勉強できる人だけが留学してくださいと伝えています。帰国後はすぐに、進級した学年での定期試験があり、その際は一時的に成績が少し落ちることもありますが、多くの場合、すぐに元に戻ります。留学で一部の学習内容が抜けるマイナス面よりも、いろいろな経験を積んだプラス面のほうが大きいと思っています。
進学のことを考えても、生徒たちを「大人にする」というのが中等教育の目標だと思っています。京都大学に受かるような卒業生は、みんなしっかりしていて大人として話ができるものです。だから留学以外の機会でも極力、生徒を「学校の外に出したい」と思っています。クラス内の人間関係は横のつながりだけになるので、クラブ活動をはじめとするさまざまな取り組みにある「縦の関係」を大切にしたいのです。できれば保護者の方や教員以外の大人と一緒に活動するような機会を増やしていきたいと考えています。
石原 生徒が校外での活動に参加するのを推奨なさっているのもそのためですね。
野中 はい。男子には、自分で納得しないとなかなか勉強しない生徒が多いものです。高校生になったら、「勉強しなさい」と言っても聞かなくなるので、早いうちに学習の動機づけとなるような、興味・関心が持てる事柄を見つけさせることがとても大切です。そのために、本校ではいろいろな取り組みをしているわけです。
クラブ活動を奨励しているのも、こうした教育方針の表れです。クラブでは縦の人間関係がつくれますし、達成感も得られます。自分を高めることができた感覚を、友だちと一緒に味わった生徒は、そこからどんどん伸びていきます。野球部やサッカー部でがんばってきた生徒は、引退後に本当によく伸びますが、それは自分が高まっていく喜びを知っているからです。ですから、クラブ活動をしていない生徒に対しても、担任や探究の教員が中心となって、たとえば、ビジネスプラン発表会や町おこしコンテストなどの外部の活動の情報をいろいろと探しては、参加を促しているのです。
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