受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

この4月に新コース制がスタート
約半数が理系に進学する
神戸の伝統ある女子校

親和中学校・親和女子高等学校 校長 中村 晶平 先生

2024年度から3コース体制へ
ICTも積極的に活用

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校長 中村 晶平 先生

中川 貴校はコース制を導入していますが、この4月からは新コースに刷新されるのですね。その狙いについて教えてください。

中村 近年、本校の卒業生の約半数は理系の学部・学科に進学しています。そうした状況を踏まえ、学校としても、2022年度から「理数重点化」を打ち出し、理系に強い学校であることを積極的にアピールし、興味のある生徒に来てもらうための改革を始めました。そして、いよいよこの4月から、理系に特化した「スーパーサイエンス」というコースを設けることになりました。

 一方で、本校では近年、探究学習にも力を入れています。新しいコース制度では、こうした「探究」を採り入れた「グローバル探究」と「スティーム探究」の2コースを設け、「スーパーサイエンス」とともに3コース制で教育を展開していきます。なお、高校に関しては、この4月の中学入学者が3年後に高校に進学するタイミングで変更する予定です。

 さて、本校が見据えているのは、中学入学生が高校を卒業する6年後ではなく「10年後」です。12歳で入学し、大学を卒業して社会人になる22~23歳のころには、世の中が大きく変わっているのは間違いありません。その「10年後」に、社会に必要とされる人材を育てたいと考えています。必要なのは、読解力・理解力・好奇心・探究心などといった力です。そのためには文系・理系を問わず、根拠をもとに論理的に説明する科学的思考力(サイエンスマインド)やコミュニケーション力、そして、多様性を受け入れる広い視野と柔軟性(グローバルマインド)も求められます。10年後の社会は、まさにこの二つのマインドを併せ持つ人材が望まれるでしょう。本校が展開する3コースは、その養成をめざすものです。

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2021年に設置された、ネイティブ教員と気軽に英会話が楽しめるイングリッシュルーム
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校内には明治期からの制服の変遷がわかる展示があります

立見 途中でコースの移行も可能なのですか。

中村 はい。中2と中3への進級時に若干名の移行を考えています。ただ、「グローバル探究」と「スティーム探究」の間の移行は原則として可能としますが、「スーパーサイエンス」はほぼ固定し、「スーパーサイエンス」から他コース、あるいは他コースから「スーパーサイエンス」への移行には、成績面を考慮します。

立見 貴校では卒業生の約半数が理系の学部・学科に進学していますが、理数系が苦手な生徒に、何か特別な工夫をされているのですか。

中村 本校ではICTの活用が盛んで、生徒に興味を持たせるために、タブレットで動画などをよく見せます。また、女子にはこつこつと地道にやっていくのが得意な生徒が多いので、それに合わせて、教員たちも辛抱強くバックアップしています。そのように、女子に適した勉強の進め方ができる環境があるため、入学してから理科や数学が好きになる生徒が増え、その結果として、理系への進学が増えているのだと思います。

立見 それが、女子校の良さの一つですね。

中村 さらに、女子しかいないので、行事などの際には力仕事も自分たちでやりますし、リーダーシップも発揮します。そういう良さも女子校ならではのものだと思います。

24年3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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