受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

この4月に新コース制がスタート
約半数が理系に進学する
神戸の伝統ある女子校

親和中学校・親和女子高等学校 校長 中村 晶平 先生

「理数系」「探究」を重視
放課後には特別プログラムも

聞き手1
サピックス小学部
上本町校校舎責任者
中川 智史

立見 次に、各コースの特徴や進路目標について教えてください。

中村 「スーパーサイエンス」は、高度な知識をもとに最先端の研究・技術開発に携わることができる科学的リーダーとしての資質・能力を身につけた科学者や研究者を育てるためのコースです。めざす進路は、難関国公立大学の自然科学分野の理工系・医歯薬系学部を考えています。

 本校ではもともと、中1の理科の授業では、年間25回ほどの実験があり、それは公立校の3~4倍に相当します。また、このコースでは中1・2で「実験理科」という特色ある授業を設けます。その実験をする目的や実験結果が意味することをしっかり考えるところまで行います。もし誤差が出たら、なぜそうした誤差が出たのか考えることで、科学的思考力の養成につながりますから。さらに、筋道を立てて物事を考え、楽しみながら論理的思考力を鍛えるプログラミングの授業なども実施します。数学・理科・英語の授業時間数を多くとって、難関大学合格へ向けてサポートするのも特徴です。

 放課後には週に2日、特別プログラムも行う予定です。たとえば中1・2ではタイムマネジメント講座やマナー講座、中3・高1ではプレゼンテーション講座や数学・科学オリンピック対策講座など、教科の枠を超えた講座を考えています。

立見 将来は医師になりたいというお子さんにとっては、まさにぴったりのコースですね。

中村 はい。キャリア教育でも、医師や薬剤師、ものづくりに携わる方など、いろいろな職業の方に話を聞く機会を用意しています。しかし、中1の段階では将来の目標が具体的に決まっている生徒のほうが少ないので、まずは、自分はどんな分野に興味があるかなどから判断して、三つのコースから選択してもらえればいいと思います。

中川 「スティーム探究」と「グローバル探究」コースについても教えてください。

中村 「スティーム探究」コースは、理系分野において地域の産業・研究施設などと連携し、理学・工学・社会科学などを横断した学際的なアプローチで、人とのかかわりを重視しながら製品開発・技術利用などができる人を育てるためのコースです。「スティーム(STEAM)」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の五つの分野の頭文字を組み合わせた、世界的にも注目されている教育概念です。本来は文理融合型ですが、本校は理系重視で教科横断型の授業を行います。めざす進路としては、国公立大学などの理工・生命科学系・医療看護系・生活科学系など、幅広い科学系分野が考えられます。

 一方、「グローバル探究」コースは、自己を相対化する経験と、多様な知識の獲得を通してグローバルマインドを育み、グローバル探究教育と国際教育により国際社会で羽ばたき、各分野で敬意を表される女性リーダーとして活躍するためのコースです。めざす進路としては、国公立大学・難関私立大学などの国際・文学・法学・経済学・社会学といった人文・社会科学系学部を考えています。

24年3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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