受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

里山のある恵まれた環境で
課題研究に取り組みながら
難関大学への進学力を培う

奈良学園中学校・高等学校 校長 河合 保秀 先生

特色ある学校行事で
生徒の人間力を高める

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中嶋 学校行事のなかで特徴的なものを教えてください。

河合 本校は矢田山の山腹にあるのですが、この立地を利用して、2月に中1から高2までの生徒が、山の坂道を約12キロ走り抜ける「矢田山縦走」という行事を実施しています。

中嶋 コロナ禍で文化祭などの校内行事はどうされたのでしょうか。

河合 奈良県では公立高校の夏休みが9月12日まで延長されたため、私学もそれに合わせたり、時差通学にしたりした学校もあったようです。9月前半に文化祭を行う私学が多いので、延期を余儀なくされた学校もあったようですが、本校では予定どおりに、9月10日に文化祭を開催しました。夏休み明けからその日までは半日の授業とし、午後からの時間を文化祭準備に充てましたが、感染予防のために、昼食前に生徒の半数を帰宅させ、残った半数で文化祭の準備を行うようにしたのです。

 文化祭の当日は保護者を招かず、すべての展示場所に実行委員を配置して、密にならないように人流をコントロールしました。生徒たちも、制限のあるなかで、どんな形で文化祭を実施したらいいのかと考えたことで、大きな学びになったはずです。その様子を見ていて、よく考えたものだと感心したほどです。これからの時代は、先の見えないなかで、正解のない課題に対応する力が求められます。このような状況での文化祭は、そうした力を培うためのいい経験になったことでしょう。コロナ禍において、わたし自身がとても励みになったのは、現在の高3生たちが「奈良学園の教育活動を止めないでほしい」という願いを学年主任に伝えたという話を聞いたことです。止めてしまう日を一日でも作ってはならないという思いで、できる対策を徹底して行っています。

中嶋 貴校はクラブ活動も盛んですね。

河合 本校は進学校ですが、クラブ活動もがんばりたいという生徒がたくさん入学してきます。そのため、加入率は中学では95%、高校では71%という高さです。グラウンドが広く、スポーツ施設・設備も充実しているので、練習場所には不自由しません。たとえばテニスコートも5面あり、ほかに武道場、卓球場、トレーニング室なども完備しています。アーチェリー部など珍しいクラブもあります。

中嶋 それでは最後に、貴校をめざす受験生と保護者の方へのメッセージをお願いします。

河合 本校の特色である「自学自習」に耐えうる生徒であってほしいと思います。させられる「勉強」から、みずからの「学び」に変わったとき、本当の学ぶ喜びが感じられるようになるでしょう。そして、そうなる仕組みを持っているのが、本校です。また、わからないときは教えてもらうのもいいのですが、わかるまで自学自習をしてほしいと思います。徹底的に小学校の教科書を読み、それでわからなかったら参考書を読み込む。そうすることによって、わからない問題をわかるようになってほしいと思います。今のうちから「自分の力で何とかする」という思いで取り組み続ければ、大学受験をはじめ、いろいろな場面で力が発揮できる人になれると思います。

中嶋 本日はありがとうございました。

22年1月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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