受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

秘訣は毎朝の「20分テスト」
学校生活も楽しみながら
学力を伸ばして難関大学へ

金蘭千里中学校・高等学校 校長 大中 章 先生

全員がタブレット端末を活用
オンライン自習システムも始動

松本 貴校では、ICTも積極的に活用していらっしゃるそうですね。

大中 3年間ほど実証実験を行った後、新型コロナウイルス感染症が流行する以前の2019年から生徒全員にタブレット端末を持たせて、1クラス30人が同時に使えるようにしています。

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校舎の中心にある、通称「大階段」。吹き抜けで明るく、風通しの良いスペースで、生徒たちに人気の場所です
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質問スペースが設けられた、ガラス張りでオープンな造りの職員室。生徒は気軽に訪れることができます

岡澤 授業ではどんな使い方をするのですか。

大中 たとえば、国語の授業では、一つのテーマに対してクラスの30人が自分の意見を書き、それを教員がプロジェクターで投影しながら生徒全員でシェアするような使い方をします。英語では、デジタル教科書を有効活用しています。数学では、複数ある生徒の解法のなかからユニークなものを画像で紹介するといった使い方ができます。簡単な操作で全員が同時に見られるのが利点ですね。

松本 休校期間中の対応でも、大きく役立ったのではないでしょうか。

大中 すでに全員にタブレット端末を持たせていたので、最初の緊急事態宣言が出たときも、3か月間、完全に時間割どおりにオンライン授業を行うことができました。朝はまず担任がClassiなどのアプリを通じてメッセージを送り、それをタブレット端末で見た生徒は「見ました」ボタンを押します。それが、出席ということです。その後、時間割どおりにオンライン授業を行います。数学では問題を送って解答を回収するということもやりましたし、わたしもYouTubeを利用した限定配信で、生徒向けに授業を配信しました。そんな状況を、最初の1か月くらいは生徒も意外と楽しんでいましたが、2か月ほどたったころから、「早く学校で授業を受けたい」「友だちに会いたい」という声が多くなり、あらためて「対面授業」の大切さを実感した次第です。

松本 タブレット端末を活用し、自宅で行う自習もサポートしていらっしゃるそうですね。

大中 はい。2021年度より「金蘭千里勉強部」というオンライン自習システムを始めました。外部の教育機関に委託して行っている希望者向けのサービスですが、オンライン会議アプリでログインして自習し、必要に応じて質問もできるというものです。指導員の学習カウンセリングも受けられます。

22年12月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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