受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

秘訣は毎朝の「20分テスト」
学校生活も楽しみながら
学力を伸ばして難関大学へ

金蘭千里中学校・高等学校 校長 大中 章 先生

各界で活躍する卒業生が
進路選択の良い刺激に

松本 貴校は外部からの評価で「生徒を伸ばす学校」だとよくいわれますが、先ほどお話があった20分テストが大きく寄与しているのでしょうね。

大中 そうだと思います。本校は、入り口の偏差値の割に、難関の国公立大学や医学部医学科への合格者が多いという評価を頂いています。生徒を伸ばすために夜遅くまで学校に残して勉強させているのではないかなどと聞かれることもありますが、そんなことはなく、最終下校時刻は18時と決まっています。1クラスが30名という少人数制で徹底した指導を行い、毎日20分テストを行うというシステムがあるからこそ、生徒たちは入学後に伸びるのです。

 2015年に行った学校改革で本校は大きく変わりましたが、創立以来、変わらないのは、1クラス30名の少人数制と毎朝の20分テストです。このうち少人数であることには、教員と生徒との距離が近く、目が行き届き、いろいろな形で個別対応がしやすいというメリットがあります。たとえば、英作文や小論文の添削もしっかりできます。最近では、総合型選抜などで小論文や面接が必要になるケースが増えており、特に医学部入試ではそれらがとても大切です。その対策として、医学部を希望する生徒には、国語科の教員が個別に小論文添削と面接の指導に当たっています。また、医学部以外でも、入試で小論文や面接が課される場合は、国語科の教員が中心となって対応しています。

松本 今春の卒業生は171名ですが、国公立大学への合格者は現役で62名、既卒生を含めると75名にも達します。飛び級での千葉大学進学者もいますね。進学指導はどんな方針で行っているのでしょうか。

大中 生徒には、知名度や偏差値の高い大学の受験を勧めることはせず、本人の希望を尊重しています。そのためか、少数ですが、芸術系(音楽・美術)の大学・学部や海外の大学に進む卒業生もいるなど、進路に多様性があります。

岡澤 キャリア教育では、どんな取り組みをされているのでしょうか。

大中 本校の卒業生を招いた講演会が中心ですが、アメリカ総領事館の方や、外務省の現役外交官を招いて行う講演会も10年以上続いています。また、生徒の約3分の2が理系を希望するため、生命科学にかかわる科学技術の振興を行うライフサイエンス振興財団にコーディネートをしてもらい、高1を対象に、大学の研究者を招いての出前授業を実施しています。大学で行われている最先端の研究について、高校生にわかりやすいレベルで講義してもらい、生徒に興味・関心を持たせることが狙いです。

 一方、希望者を対象に、夏休みの一日を使って、大阪大学や順天堂大学から先生を招いて、病理医体験セミナーも行っています。このセミナーには、毎回30名ほどが参加しています。医学生による救急のシミュレーションなどの実践的な講習を行う「医療・救急ワークショップ」というものもあります。

松本 そのような話を聞いた生徒は、モチベーションが高まるでしょう。そうしたことが、貴校の合格実績を支えているのでしょうね。

大中 卒業生は各界で活躍しているので、医師はもちろん、弁護士・裁判官など法曹関係者、大学の研究者などもいます。そうした先輩たちの話を聞いて、生徒たちはやりたいことを見つけるのです。外交官の講演を聞いた生徒が、実際に外交官になった例もあります。

松本 多様な進路ですね。それでは最後に、受験生と保護者の方にメッセージをお願いします。

大中 本校は、「努力をいとわない生徒」を望んでいます。わたしたちも、人間性と学力の両方を6年間でしっかり身につけさせたいと思っています。ぜひ一度、本校にいらしてください。

松本・岡澤 本日は貴重なお話をありがとうございました。

22年12月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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