受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

人格形成と学力伸長を両輪に
「やり抜く力」を育てる
伝統ある女子教育の名門

四天王寺高等学校・中学校 校長 中川 章治 先生

「医志」「英数S」「英数」の各コースで
それぞれ特徴ある教育を展開

石原 貴校はコース制を導入されており、「医志コース」のほか、「英数Sコース」と「英数コース」、そして、文化やスポーツの分野で才能ある生徒を集め、その才能を伸ばしていく「文化・スポーツコース」があります。このうち「医志」「英数S」「英数」の3コースは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

中川 「医志コース」では、医学部進学を正面に見据え、学力だけでなく、医療人になるために必要なマインドセットもあわせて身につけます。そのために、たとえば病院を訪問して医療現場を見学したりもします。また、本当に医学部に行くのかどうか気持ちを固めるために、イギリスの医学部の先生の授業を受けてみるという試みも、今年初めて行います。このような点からも、「医志」は医学部をめざす最短のコースだといえます。

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全天候型のグラウンドの周りを校舎で囲んでいます
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2019年にリニューアルした食堂には、誰でも自由に弾くことができる「ストリートピアノ」を設置(時間指定あり)

 「英数S」は最難関の国公立大学文系・理系、海外大学を目標とするコースです。英数Sの「S」は、21世紀型教育のSTEAM(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematics)の頭文字で、高い学力と豊かな人間性、主体性を身につけた国際人をめざし、高2から文系と理系に分かれます。

 グローバルに活躍できる人材の育成をめざすことも「英数S」の特徴の一つです。たとえば、中2の探究授業には演劇教育を取り入れ、中3では英語で演劇を行います。そのような取り組みによって、世界標準の欧米でも通用するような教養を身につける教育を実践したいと考えているのです。ですから、入学時、文系と理系のどちらか迷っていて、いろいろなことを試してみたい人は、「英数S」を選ぶとよいと思います。

 そして、「英数」は本校に以前からあるコースです。6年間の全人教育を礎に、社会で活躍できる多様なリーダーを育成します。また、学習の土台をしっかりと築くため、創立以来の女子教育のノウハウを生かした「女子に合った指導」を徹底します。

 以上の3コースはそれぞれ、探究の時間に行うことなどが異なり、たとえば「英数S」では現在、日本経済新聞の協力の下、調べ学習と発表というかたちの学習をしています。このように、本校でのコース制は学力で区分けしたものではありません。各コースで展開する教育内容にこそ特徴があるのです。ただ、本校の入試制度上、「医志」と「英数S」は併願できません。「医志」または「英数S」を希望して受験した場合、その合格点に達しなくても、「英数」の合格点に達していれば、「英数」への変更合格となります。入学後も、中2進級時には、「英数」から「医志」、または「英数S」にコース変更できる機会があります。ただし、「医志」と「英数S」は学習の進度が速いので、生徒それぞれの個性に合ったコースで学ぶのが望ましいと考えています。

23年9月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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