受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

算数偏差値46から大逆転! 麻布合格の理由

 中学受験を終え、いま振り返って強く思うのは、「結果が出るその瞬間まで本当に分からない」ということです。わが家の受験には、大きな山場が二つありました。

 一つ目は、受験本番です。2月1日午前、第一志望の麻布中の試験を終えた息子は、うつろな声で「算数で取るべき問題を落とした」と口にしました。午後の広尾学園では、本人も手応えを感じていましたが、結果は不合格。2日午前の本郷中では合格を頂けたものの、受験後に体調を崩し寝込むことに。そして迎えた3日、麻布中の結果は不合格、そればかりか4日には浅野中も不合格に。親子ともに呆然。SAPIXの先生にご連絡した際にも、「え? え?」と聞き返される状況でした。

 「ご本人と話せますか?」と電話で声を掛けていただき、息子自身の気持ちを確認してくださいました。そのうえで、5日の広尾再受験に向けて、SAPIXの教室で問題の解き方を見ていただいていた最中、麻布中から「繰り上げ合格」の連絡を頂いたのです。「追加合格をいただきました」と先生へお伝えした瞬間、感情が溢れてしまいました。結果が出るその瞬間まで、本当に何が起きるかわからない―中学受験の本質を、身をもって知った瞬間でした。

 実はこの本番のドラマの前に、もう一つ大きな山場がありました。6年生の夏です。春は比較的安定していた成績が、「夏期講習マンスリー」で算数偏差値46まで急落しました。9月以降の「合格力判定SO」でも算数が伸び悩み、麻布の合格可能性は40%まで低下。「勉強量もやり方も変えていないのに、なぜ?」という状態でした。

 焦りから何か対策を足したくなりましたが、SAPIXの先生との面談で言われたのは、「やり方を大きく変える必要はない」という言葉でした。授業中の様子や答案を見る限り、力はある。B問題(思考力問題)はよくできているが、模試ではA問題(基礎力問題)の処理に時間をかけすぎていると。

 そのため質問教室の活用を始めました。SOのたびに答案を持参し「なぜ間違えたのか」を一緒に見ていただきました。そして、家庭では生活環境の見直しに注力することに。息子は勉強時間自体は長いものの、休憩が多いと感じていました。そこで「休憩時間の可視化」に取り組みました。休憩の開始と終了時刻をメモに残させたところ、「休憩が多すぎる」という親子喧嘩は減少。「50分勉強・10分休憩」のリズムで家庭学習が安定しました。これらの結果、11月の最後のマンスリーテストで算数偏差値は60。そのまま冬期講習に入り、「算数が得意になった」という自信につながりました。

 劇的なことをしたわけではありませんが、SAPIXの授業に真摯に向き合う、先生のアドバイスの通り行動する、それが結果につながったのだと思います。そして本番は最後まで諦めないこと。この受験で得た学びは、親子にとって大きな財産になりました。