1点の重み
幼少期から鉄道が好きで、鉄道研究部のある中学に行きたいと始めた中学受験。3年生のころから様々な中学の文化祭や説明会に行き、気に入ったのが栄光学園中と麻布中だった。
息子の成績はおおむね社会>国語>理科>算数で、中学受験で最も差が付きやすいと言われる算数が弱いのが懸念材料だった。またテストのたびに成績が大きく上下するタイプだったため、気の休まる暇がない。マンスリーより組分けテストのほうが得意で、組分けでクラスが3クラスほど上がりマンスリーで徐々に戻る、といったサイクルを繰り返していた。そんな成績なので、高度な思考力が必要とされる所謂Bタイプの学校を志望して大丈夫なのだろうかとなかなか決心がつかないでいた。そんな私をよそに、息子は飄々と日々の学習をこなし、テストの成績に一喜一憂するのは本人ではなく私だった。
6年生になり、当初の志望通りSSで麻布、土曜特訓は栄光を選択。演習では平常授業とは違った思考力系の問題を解くのがとても楽しかったようで、いつも塾から帰宅するとテンションが高かった。しかし1回目の学校別サピックスオープンでは麻布の理科がなんと5点、偏差値27という驚愕の数字。衝撃的過ぎて思わず二人で笑ってしまった。9月から始めた過去問演習でも、苦手な算数はもちろんのこと、比較的得意な国語・社会でも思うような点数が取れず、焦りは募るばかり(私が)。しかし不思議なことに本人は、「絶対、麻布も栄光も合格する」と自信満々。今から思えば、そう自分に言い聞かせることで精神を保っていたのかもしれない。1月の栄東では、期待していたコースには2点及ばずの合格。そこで1点の重みを痛感した。
そして迎えた2月1日。きれいな朝焼けとともに試験会場へ。試験がおわり「算数ができなかったけど、他はできたからぎりぎり受かるかも」と手応えを感じた様子。2月2日栄光の試験後は「算数がいつもよりできた」。小さくガッツポーズ。2月3日逗子開成の試験後、富士山の見える海岸で栄光の結果を見る。「合格おめでとうございます」の文字を見た瞬間、思わず叫んでしまった。本人はクールに「よし」。帰りの電車内で麻布の合格発表を見たが、残念ながら息子の受験番号はなかった。涙をこらえる息子。両校とも第一志望だったため、両方受かったらくじ引きで決めよう、と冗談で話していたので、この反応は意外だった。私としてはどちらか合格できれば御の字だったのだが、息子は本気でダブル合格を狙っていたのだ。
4日の13時ごろ、麻布から繰り上げ合格の連絡がきた。手応えは錯覚ではなかった。栄東で1点の重みを痛感したことで苦手科目も得意科目も貪欲に部分点を狙い、粘り強く解答したことが勝因だと思う。自分を信じて走り切った息子が誇らしい。
最後に、素晴らしいカリキュラムと楽しい授業で合格へと導いてくださった先生方、受験したすべての学校に感謝申し上げます。