娘が走り続けた六年間
わが家の娘がサピックスの入室テストを受けたのは、年長の秋のことでした。体験授業のあと、校舎から目を輝かせて出てきた娘が「私、ここに通いたい!」と嬉しそうに言ってくれたことを、今でもはっきりと覚えています。 「もうすぐ1ねんせい」という講座から娘の通塾が始まりましたが、その直後、新型コロナウィルスの影響で、小学校は入学式もないまま休校となりました。不安定な日常の中で、サピックスは娘にとって確かな居場所となり、「楽しい」という気持ちのまま六年間走り続けることになります。
サピックスの授業はいつも活気に満ち、子どもたちの発言が飛び交う中で、先生方は一人ひとりの考える力を引き出してくださいました。わが家では「授業がすべて」とよく話しており、家では復習よりも「今日の授業で何を学んだか」をおしゃべりすることを約束にしてきました。授業の内容というよりは、授業がどれほど楽しかったか、先生がどんな面白い話をしてくれたのか、といった話の方が多かったのですが、先生やお友達の言葉をすべて覚えているかのように生き生きと話してくれる娘の様子を見るのは本当に幸せでしたし、家族のかけがえのない時間となりました。
学年が上がるにつれ、授業への向き合い方はさらに深まりました。特に六年生では、平常・土特・SS特訓など、どの授業でも授業点一位を目標に掲げて毎回全力で臨んでいました。これが大きな飛躍につながりました。成績や順位だけでなく、同じ教室で努力を重ねるお友達の存在が娘の大きな支えになっていたようです。高いレベルで切磋琢磨できる環境こそが、娘にとって何よりの財産でした。
受験本番ではこれまで積み重ねてきた力を出し切り、受験校すべてで合格をいただき、幼いころから憧れていた第一志望校への進学も叶いました。合格がわかった瞬間の喜び、そして自分の手で合格をつかみ取ったことを実感した娘の最高の笑顔を、この先ずっと忘れることはないでしょう。しかし私たち親が何より嬉しく思っているのは、合格という結果以上に、娘がこの六年間で「学ぶことに真剣に向き合う姿勢」という一生ものの軸を得ることができたことです。
六年間を振り返ると、娘は大きく崩れることなく、入試本番に向けて成績を着実に伸ばしていきました。もちろん悔しい思いをしたこともありましたが、そのたびに気持ちを切り替え、「次はもっとできるようになりたい」と前を向き、さらに力を伸ばしていきました。授業の楽しさや先生方の言葉、そして同じ目標に向かう仲間の存在が、その原動力になっていたのだと思います。
娘をここまで導いてくださった先生方、いつも授業を心から楽しみ共に努力を重ねてきたお友達、そして娘に常に挑戦する機会を与えてくださったサピックスに、心より感謝申し上げます。六年間、どうもありがとうございました。