姉の背中を追いかけて
僕が受験勉強を始めたのは、SAPIXに入室した5年生4月だ。最初の偏差値は40。受験するという実感すら持てないまま、流されるように塾へ通い始めた僕を待ち受けていたのは、膨大な課題の山だった。日々何とかこなしつつも、なぜ小学生という貴重で楽しい時期を勉強に捧げなければならないのかという不満が常に心の中にあった。いくらやっても終わらない課題に嫌気がさし、親とは数え切れないほど喧嘩した。受験をやめることを検討したことも一度や二度ではない。
そんな僕を踏みとどまらせたのは、2年前に1年間の受験勉強で第一志望校に合格した姉の存在だ。中学校生活を謳歌し、自分と近い価値観を持つ友人に囲まれて、毎日輝くような笑顔で登校する姉の姿。その姿への憧れが、諦めようとする僕を踏みとどまらせた。
季節は巡り、6年生の1学期頃、僕はスランプに陥った。得意な算数が伸び悩んだのだ。5年生の頃は、頭の中だけで解いていたが、問題が簡単だったため通用していた。その頃、ある先生にこう指摘された。「算数のセンスはあるが、勘で解きすぎている」と。当時は、その言葉の本質を理解できなかった。しかし、6年生になって難易度が上がり、ケアレスミスが増えた。そこで初めて、以前の先生の言葉の本質が理解できた。それ以降は、問題を解く際に、頭の中で完結していた思考のプロセスも整理して書くようにした。その成果は、夏の最後に表れた。停滞していた算数の偏差値が7上がったのだ。この時生まれた自信が筑駒への挑戦を後押ししたのは確かだ。
受験の結果は、全ての受験校に合格するという最高の形で終わった。第一志望校の合格がわかったときの喜びは、言葉に言い表せないほどだった。
途中、辛い時もあったが、中学受験をして本当に良かった。最後まで僕を信じて協力してくれた家族、全力でサポートしてくれた塾の先生方、本当にありがとうございました。