あの30分間
これは開成の算数と理科の間の30分の休み時間の話だ。「試験終了です。鉛筆を置いてください」。算数の試験が終わった。僕はずっと算数が苦手だった。だから開成中に受かる自信はなかった。学校別SOの合格可能性は30%と40%で、過去問が合格最低点に届いた年はほとんどなかった。国・理・社は合格者平均点を取れていたものの、算数は受験者平均点からマイナス3点から20点と酷かった。「算数を失敗すれば、開成に受かることはない」、そう思っていた。ところが算数の問題は、9月に昨年の過去問を解いた時より難しく感じて、壊滅的にできなかった。試験中に涙が出てきた。もはやトイレに行く気も、テキストを見る気もしなかった。どれだけ理・社を頑張っても絶対に受かることはない。そう絶望していた。
僕は机に頭を伏せた。そして今までの自分を振り返った。10月から算数の過去問提出を始めた。1.5~2時間ほどの時間をかけて反省文を書いた。問題を解くための技術を身につけることに重きを置くのではなく、何ができなかったのか、何が足りなかったのか、どこに多くの時間を使えばよかったのかなど、問題の解き方の反省に力を入れた。冬期・正月の開成の実戦演習プリントでも同じことをやった。反省文を提出すると、先生はいつも長いコメントを書いてくれた。その言葉はいつも僕も褒めてくれて、宝物として入試に持って行っていた。
僕は顔を上げた。そしてバッグから先生のコメントを取り出した。「君が難しいと思った問題はみんな難しいと思っている。焦る必要はない。もはや君は合格レベルに達した」「冬期・正月で一番伸びたのは間違いなく君だ」。先生からもらったたくさんのコメントを見ていたら勇気が出てきた。できなかったのは自分だけじゃない。理・社が満点なら合格できるぞ。ここまできたのだから最後まで全力で行こう。
理・社は完璧にできた。そして僕は合格した。先生ありがとう!!